7ヶ月休みます宣言をしたのが、先週。
今週はいろいろと動きがあった。
まずは、自分の所属する会社の役員会(?)で了承されたこと。
第一派遣先の担当にも、派遣契約を切ることで了解されたこと。
残りは実際の派遣先(第二派遣先)に話が通るのを待つだけだ。
時期はまだ決まらないけれど、これでどうやら育児休業を取れることは確実のようだ。
さて、育児休業の取得にあたり、すぐに直面する問題がある。
それは、育児休業中の収入をどうするか…ということ。
育児休業は有給休暇ではないので、休業中は原則として賃金は支払われない。
雇用保険からもとの月給の30%程度のお金がもらえるようだけれど、しかし現実問題として30%のお金では生活していくのは困難だ。
7ヶ月間働かないことによる収入減がどの程度になるのかわからないけれど、総額にしたらかなりの額になるはず。
充分な蓄えとか、なにか不労所得のたぐいがあれば、夫は働かず、妻も働かずに生きていけるけれど、残念ながらそういうものはない。
趣味関係にお金を使うのをやめたり、食事を工夫したりして、ある程度支出のほうを抑えることはできるだろうけれど、そんなに大きく変わるものでもないだろう。
ということは、育児休業中は妻の収入に頼り、足りない場合はなけなしの貯金を取り崩して生活することになる。
育児休業を取得するかどうか迷っていた理由のひとつに、この「妻の収入に頼る」というのがどうなのか?という自分自身の気持ちの問題があった。
たしかに昨年までは妻のSOHO収入は自分のサラリーマン収入を上回ることが多く、一見するとそれほど問題ないように見える。
ところが自営業というのは「働いたぶんだけがダイレクトに収入」になる性質のものであり、また妻の場合は自分の著作物を直接売るという事業だから、妻が多くの収入を得る、というのはそれだけ大変な働きっぷりをしなければならない。
大変な働きっぷり、とは具体的には、土日返上、早朝から深夜までパソコンに黙々と向かい、トイレや風呂にも満足に行けず、家の中も食生活もメチャクチャ、もう何日も外に出てないナァ…といった感じ。よく漫画家の生活…みたいな場面があるけど、まさにあんな感じだ。
もちろん絶対「大変な働きっぷり」をしなければお金が無くて暮らしていけない…というほどのものではなく、そこそこ働いてそこそこの収入というのも可能だけれど、しかしある程度は働く必要があるのは事実。
つまり夫が育児休業を取るというのは、妻にある程度の犠牲を強いることに他ならない。
男性の育児休業、一見すると「会社休んで家と赤ちゃんのことをしてくれる優しいパパ」というイメージかもしれないけれど、実は代わりに妻が働かなくちゃいけない、妻は家事育児から多少は解放されるけれど、代わりに労働しないといけない、というわけだ。
「家事・子育ては夫婦ふたりの仕事」と言うけれど、それは「お金を得る部分もまた夫婦ふたりの仕事」ということの裏返しでもある。
この話は我が家固有の話ではあるけれど、でも夫婦ふたりとも働かなくても生活できる…というのは希だと思うので、一般論でもあるのではないだろうか。
自分が育児休業を取得する代わりに、妻は働く必要がある。
それは家族全体の幸せ、という観点から考えるとどうなのだろうか。
自分が赤ちゃんを見るのをあきらめて、仕事で帰りが遅くても我慢して、今まで通り働いて家にお金を入れていればなにも問題ないのでは?
前回の記事で「自分のために」と書いた理由のひとつには、育児休業をとりたい、というのは夫ひとりの都合である、という気持ちがあって、決して「すべてがバラ色に解決」というものではないと思ったからだ。
お金のこと、働くこと、育児のこと。
悩んでいるときに、そんな話をしたら、妻は言った。
「そんなこと気にしなくても大丈夫。お金は『夫婦で』という単位で考えればなにも問題ないじゃない。育児休業を取りたいのだったら、取ればいいよ」
さらに言う。
「幸い私にはちゃんと仕事があるのだから、そんなこと気にしないで好きなようにしなよ」
自分は知っている。
彼女だって本当は育児がしたいと思っていること。
「少なくても子どもが小さいうちは、働かないでずっと子育てをしたい」…と思っていること。
妻は今のSOHOの仕事をライフワークにする、と言っているけれど、でも彼女の仕事は本当に大変な仕事だということ。
…妻よ、ありがとう。
妻のおかげで、自分は育児休業を取ることが出来る。
今回は7ヶ月間だけ、甘えさせてもらおうと思う。
もちろん家事は一切を引き受けるつもりだし、育児も授乳以外の部分は一任してもらうつもり。
妻やたくさんの人々からもらった時間、人生の中での有意義な時間にできるように、楽しいことも大変なことも含め、全力で育児に取り組もう。
そして今後の生き方、家族のあり方を見つめ直す時間にしたい。