心のバリアフリー
赤ちゃん連れでいろいろなところに行くと、ときどき困る場面に遭遇する。
たとえば、おむつ交換台がない。赤ちゃん用のイスやベッドがない。
こういうのもバリアだよなぁ。バリアフリーって言ってもまだまだだなぁ…と思うこともある。
ところが逆に、設備がなくても問題がない場合もある。
ホテルで朝食をとるとき、赤ん坊を置くところがない。
「どうしようか…」と迷っている私たちを見て、係の人がイスをふたつとタオルを持ってきてくれた。
イスを2脚正面に並べてタオルを敷くと、簡易ベッドに早変わり。
なにも専用の赤ちゃん用ベッドなんてなくても、ちょっとの工夫と心配り。
古都の和菓子屋さんのトイレには、おむつ交換台がなかった。
「おむつ交換ありませんか?」と聞いたら、やさしそうな店員さんは、社員休憩室を抜け、エレベーターで上の階にあるオフィスエリアに案内してくれて、誰もいない社員食堂の奥にある小さな和室に案内してくれた。
「ここでゆっくり交換してください」「ごみは処理しますから私にくださいね」
たまたま宿泊した旅館。部屋に食事が運ばれてきて、女将さんがひとこと。
「少しのあいだ赤ちゃんを見ていますからごゆっくりどうぞ。大丈夫、私の3歳の娘と一緒にいますから」
いつもはにぎやかな食卓が今日はとても静かで、ひさびさに夫婦ふたりでゆっくりとごはんを食べることができた。
新しい施設には快適で便利な設備やサービスがあるけれど、そんなものがなくても、人々の小さなやさしさや心配りが、バリアフリー。
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コメント
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こんばんは!
ちょっとした周囲のお手伝いが
子連れの旅を楽しくしてくれますね!
もっと社会が子供に慣れれば
自然にそういう気配りをしてくれるようになると思います。
これからは子連れに優しい社会じゃないと
子供増えないぞ!!って思ったり。
投稿: めろん | 2006.04.14 00:54
2週間、東京に一時帰国してました。今回は毎日精力的に出かけて時差ボケになる暇もありませんでした(笑)めろんさんがおっしゃる通り、日本、特に大都市は、子連れにやさしい子育てしやすい環境を整えないと、少子化に歯止めはかけられないだろうな、と感じました。社会もですけど、ひとりひとりが少しだけ他人にやさしくなるだけで、かなり違うと思うんですよね。でも、東京を歩く人々は、余裕の無さそうな疲れたお顔をされてる方が多かった…
投稿: ニャーママ | 2006.04.14 03:28
こんばんは。
題名を見て、どんなお話だろうと読んでいると…。
そうですね、共感しました。
なかなかその立場になってみないとわからないことってありますよね。ちょっとの気持ちの余裕があれば、気付いたりすることでも、バタバタと動いてる日常ではなかなか難しかったり。
二人子供つれて電車に乗るとき、混んでる為立ってることが多いです。愚図っちゃうこともあるので立つことも多いですが、さすがに寝てしまった子を抱っこしてるときには代わってほしいなあなんて思っちゃいます。まあ、あまりに大変なときは、声をかけて席を譲って貰えばいいんですけどね。っていっても、なかなか言えませんが(笑)。
投稿: さかな | 2006.04.14 21:36
めろんさん、こんばんは。
そうそう、こんな心配りがとても嬉しかったりします。
自分は言われているほど「子連れに厳しい」という感触はないのですが、でももっと子どもにあたたかい社会になるといいですね。
ニャーママさん、こんばんは。
海外旅行(?)おつかれさまでした。ちょうど桜の季節、ひさびさの日本を楽しんでいただけてよかったです。
少子化はいろいろと根が深く、日本の社会構造などに寄るところが多いので、なかなか難しいのですが、でももっとみんなが手をさしのべてあげられるといいですよね。
やっぱりニャーママさんのいおっしゃる「ニューヨーカーの子どもへの態度」を確かめに、アメリカへ行きたかったです(笑)
さかなさん、こんばんはー。
二人子供つれて電車ですか…。こちらは田舎でクルマ以外では移動しないのでわからないのですが、本当に大変そうです。
寝ている子どもを抱っこしているママがいたら、席を譲る…もし今の自分なら絶対すぐ気づくと思いますが、一昨年だったら気づけたかどうか自信がありません。子連れに限らず、なんというか、想像力やまわりへの配慮へもっと配慮できる人になれたらいいなーと、さかなさんの話を読んで感じました。
しかし「譲ってください」と言うのは、勇気がいりますね…。
投稿: いが | 2006.04.14 23:42