« 冬の札幌 | トップページ | 大雪 »

2009.01.14

トンネル

小樽にあるホテルの薄暗い地下駐車場。

お正月に旅行に行って、2007年の秋にもここに来たときの、深夜泣きやまないハルトのことを思い出した。


当時旅行に行った事自体はこのブログにも書いたけど、実は当時ハルトの子育ては大きな局面を迎えていた。

当時ハルトはどうも感受性が強いというか、自分の感情をうまくコントロールできないところがあって、1歳半くらいから3歳頃まで…特に夏樹が生まれたあたりからしばらくは、どこにいってなにをしても機嫌が悪く、とにかく大変な時期だった。

かんしゃくというか、泣きわめいて、感情の暴走状態になることがよくあり、ちょっとでもなにかスイッチがはいると、もうダメ。

ひたすら泣いて、わめいて、誰にも止められない。
泣きじゃくって、頭を床に打ち付けて暴れて…

かといって無視もできず、エビのように暴れる子をひたすら抱っこして気持ちが落ち着くまで対応する…といった感じ。

当時はこの状態を「地獄の使者が来ている」と夫婦で呼んでいたけど、それくらい激しい泣き方で、なにしろ手におえない。

当時は毎日がそんな感じで、新生児夏樹も生まれたばかりで、夫婦揃って精神的に疲れてしまい、そうだ旅行にでも行こう…ということで行った旅行先。それがこの小樽。

ところが旅行に来たからといってハルトの様子が変わるはずもない。
夕食のときも凄まじい形相で泣きわめいていて、店員が張りついて様子を見ていて、しまいは逆に他のお客様の迷惑になるので…と苦情を言われたほど。

やっとの思いで部屋に帰り、寝かしつけをはじめたのは午後9時。
でも今度は眠いのに寝られなくて、あるいはなにか違う理由があるのかもしれないけれど、とにかくまたスイッチオン。


泣きじゃくる2歳児、クルマに乗せれば寝るのでは?と淡い期待を持って、泣いたまま抱きかかえて地下駐車場へ。

そして暴れる子を、汗だくになりながらなんとかチャイルドシートに固定し、行き先もないのに夜の小樽をひたすら走り回る…

なんとか寝てふたたび駐車場に戻ってきて、起きるな、起きるな…と祈る気持ちで抱いて運んでいるのにエレベーターの到着を告げる「ピーン!」という音で、あるいはすれ違う人の足音で、また重いドアのドアノブをまわす音で、目を覚まして再び泣きまくる…。

深夜も0時を過ぎると、フロントと駐車場をつなぐエレベータも止まり、暗い階段を上がったり降りたり。

自分も疲れ果てて眠くて、もう本当にうんざりして、こんな修行はもう嫌だ、このままクルマで日本海にダイブしちゃおうか…そんなことも頭をかすめたりしつつ、結局午前2時過ぎまでそれを繰り返し、2時半ころにようやく寝た状態で部屋まで帰る事に成功し、家族が眠りについた…そんな思い出がある。


当時の駐車場に響き渡る泣き声、しなだれかかる身体の重さ、祈るような気持ち、やりきれない思い…そんなものを一瞬で思いだした、そんな地下駐車場。

結局、こんな状態は2008年の6月ころ、ちょうどハルトが3歳になって少ししたくらいにハルトがおしゃべりが上手になってきたころに突然終わった。

出口の見えないトンネルは終わり、もちろん今回の2009年の旅行では家族揃ってベッドで普通に寝られるし、深夜の地下駐車場に行く事もない。
あれはいったいなんだったんだろうな。


子育てをしていると、そんなトンネルに入ってしまう事があり、でもそのときはそれが終わる時期も、それが終わる事すらわからなかったりする。

でもやっぱり子どもは成長するし、終わってしまえば、ああそんなこともあったね…なんて程度の子育ての出来事のひとつ。

「なつきー、ほら赤いクルマだよー」なんて言いながら、楽しそうにしているハルトを見ながら、やっぱり子どもも成長するんだなー、と当たり前のことをしみじみと感じた、そんな地下駐車場。

« 冬の札幌 | トップページ | 大雪 »

主夫の子育て2009」カテゴリの記事

コメント

 ああ、何だか分かりますね。いえ、全然実際には分かっていないんでしょうけども(笑)。
 
 うちは二人の面倒見て一人で夜過ごしていた時に子供殺して一緒に死んでしまおうかな~とか思ったことあります(汗)。死ねば子供にイライラする事も自分に嫌気さすことも無いし、何より永眠できるよなとか(笑)。一度下の子をクーファンごと落として怪我させた時に「あれはひょっとして殺意持ってやっていたのでは?」とか自分で自分疑ったり。

 虐待のニュース見て「何で誰も親の様子に気付いてあげられなかったのかな」なんて違う視点で見るようになったり。トンネル抜けられなくなった人が虐待に走っちゃうのか?とか思ったことありますねえ。世間が思ってるほどこのラインはハッキリ分かれてるわけではないのではないかと。
  
 それにしても、ハルト君凄かったんですね。私だったら、いがさんみたいにキチンと対応出来なかったと思います。自分の辛抱の無さにうんざりする毎日ですよ~。

 うちは今はトンネル抜けかけた状態ですね。それでも、ちぶれに腹立ててしまう事が多くて落ち込む事多いです。
 
 ちなみに、旦那に虐待の話しても「俺にはそういう事する奴の気持ちは分からない」とは言われてしまいましたが(汗)。でも理解は出来なくても話は聞こうといわれてるので愚痴ってますけどね。ただ、愚痴って心配掛けすぎると旦那が上の子連れて実家に避難させてしまうので今度は子供を旦那の実家に奪われる不安と戦わなくてはいけなくなるんですが(汗)。

 まあ、私の場合一番の解決策は実家に逃げることですかね~。あとマンが描いて発散する(笑)。

 いがさんのブログ見て励まされてる人多いと思います。これからも更新楽しみにしてますね。

新年のご挨拶が遅れましたが今年もよろしくお願い致します^^

ハルトくん大変だったんですね。「地獄の死者が来ている」スイッチはこの月例の子を持つ親なら誰でも経験があると思いますが1年半とは長いトンネルでしたね。
うちのスイッチはまだまだかわいい方だったかも。
振り返ればさほど思いつめた事や途方に暮れる状態になった事はなかったように感じます。
でも虐待のニュースを見て感じることは↑のちぶれ母さんと同じです。”虐待はしないけど”紙一重の状態というか、ボーダーラインは世間が思うより曖昧・・・。

もうすぐ下の子が生まれます。3歳になった今はとても落ち着いた状態ですが、どう生活が変わるでしょうか(笑)

こんばんは。
頭の中でわかっていても実際に…ってのは、実際になって見ないとわからないんだろうな、と思います。
とは言え立場が徐々に変わってきている今の私が見て、スイッチオン状態の子供にイラっとしぶち切れるお母さんを見ると他人事には思えなくなっている…そんな子供を抱えるお母さんを見る他人の目は例外なく冷たいですよね…。いずれは自分もと思うと…。
それがいつか笑い話になる日は来るんでしょうけど、当事者である時はそう思えない、泥沼です。
ちぶれ母さんがおっしゃるように、いがさんの記事で安心したり、励まされたりする人は多いと思います。ちょっと偏見も入る表現になりますが、育児ブログだときれいごとで済まされてしまうものも多い中、いがさんとちぶれ母さんのブログには子供と向き合っての正直な思いがたくさん書かれているので、これからも参考にさせていただきます。

その前にきちんと出産できるかが問題な私ですが…。

おはようございます。
改めて読み返してみると、なーんか暗いトーンの記事でスイマセン(笑)


ちぶれ母さん
ほんと子育てはきれい事だけじゃなくて、こういうことも比較的よくありますよね…。
仕事も大変なときは大変だけど、でも相手が言葉を使えるだけマシじゃー!とか思ったり。
子どもごとの個体差、親の感じ方の個体差は相当大きいとは思いますが、でもやっぱり子育ては大変な仕事なんだなぁ、と改めて感じます。

サクラビヨリさんも書いているけど、虐待の話もホント同意ですよ。虐待するかどうかは紙一重…みなさんよくがんばりました。

うちは上の子のほうが手強かったけど、ちぶれ母さんのところは下の子のほうが手強そうですね。まだまだいろいろありますが、実家をうまく使いながら乗り切っていきたいですねー。

このネタ、いつか書きたいと思いつつ、子育ての影の部分なのでなかなか書けずにいました。でも今回ようやく披露できて良かったです(笑)


サクラビヨリさん
今年もよろしくお願いします~。
いつもブログ拝見していますよー。来月は予定日、もうずーんと重くて大きいお腹ですが、もう一息がんばってくださいね。
兄弟が2歳差だと、ちょうど魔の2歳と下の子の誕生が重なって、大変になっちゃいがちなのかもしれませんねえ。

虐待も頭では「そんなことしてはいけない」とは思いますが、しかし結果的に虐待してしまう人の気持ちも理解できますよね…実際…

サクラビヨリさん、無事なお産を祈っています!がんばってくださーい。


タピアンさん
おはようございます。
うんうん、他人の目が冷たい…ありますねえ。大学生くらいの子に文句言われたりもするし..
やっぱり自分が当事者にならないとわからないけど、でも何事もそうだと思うので、いつも他人には優しくありたいです。特に怪獣持ちのお母さんたちには(笑)

これは大きな出来事ですが、小さい「マイナスの出来事」はいろいろありますよー。
でもプラスの出来事も多いのが子育てです。

タピアンさんのようにこれから子育てに入る方達にとって、こういうマイナス記事はどうなんだろうなあ…子育てハッピーという風潮なのに..とも思っていたのですが、でも参考になると書いて頂いて嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!

こんにちは。またコメントさせていただきます。
最後の部分「子育てハッピー」の部分だけが満開になってるからかえって悩んじゃう人が多いような気がするんですよね…。
職場の上司、先輩や同僚が、私が休業に入る前にいろいろ子育て中の苦労話をしてくれたのを聞いて、「ああ、こんな立派な人でも、こんなに気持ちに余裕のある人でもそんな事あったんだ…。」なんて思ったりしましたし。でも今はみんな「結局はあれは子育てだけではなくて自分育てなんだよね。」と話していました。
マイナスの部分もあって、それも含めて結果としてはハッピーになってるんだなあと思ったんですが、そこが抜け落ちちゃったり、理想論から入っちゃったりすると苦しくなっちゃうんじゃないかって気がします。
悪戦苦闘、試行錯誤の連続の最中は「もういい加減にしてくれ~!」ってのは何事にもありますが、過ぎちゃうと「そんな事もあったな~。」ってなりますもんね。私のような性格だとむしろマイナス記事があってもいいかな、と思ったりします。こちらこそこれからもよろしくお願いします。

いがさん、この記事を書いてくださって、ありがとうございます。

昨日の私がまさにトンネルの中だったんですよね。。
ウドーに対して異常なくらいイライラを感じてしまって。手も出てしまって。そういう自分に果てしなく自己嫌悪で。疲れていて、休みたくて、誰か殺してくれと思いました。

ネットで「育児ノイローゼ」、「虐待」というキーワードで検索してみたり。。
昨日はほんと煮詰まってましたー。

一晩寝たらなおっていたんですけど。(笑)

こうやって、私もそうだった〜という話を聞くとほんとに勇気づけられます。
特に、いがさんのような方がこういう話を書いてくださると、説得力があるんですよね。
感情に流されにくいといわれる男性でもそうなのだから、私だけが異常なのではないのだと。。

タビアンさんもおっしゃっているように、私もときには子育てのマイナス自慢も必要なのではと思います。
そうやって気持ちもあらたに一歩前へ進むために。。

タピアンさん
おはようございます。
そうですねぇ、そういうのはあるかも…。子育ては楽しい!という事前情報に期待しすぎると、こんなはずじゃ…という気持ちになりそうです。
育児は育自ってよく言いますが、ホントそれを実感する数年間です。
タピアンさんのまわりのみなさんも、それを身をもって感じているに違いない..
こういう育児の影の話も時々はあるので、また機会があったらご紹介します(^^;;


SENさん
おはようございます!
そうですかー、SENさんにもそんなことがあるんですねー。
煮詰まってホントにやばいときは、洋服のボタンをしめてあげる動作とかが危険ですね…衝動的にそのまま首を絞めたくなった事も..
なかにはホントにやってしまうケースがあることも理解できる気すらします。
自分で言うのもなんですが、ほんと子育ては尊いですよー。お母さんみんながんばっている!まわりの人はそれを理解してあげてほしい。
これからも壁にブチあたったり、トンネルに入ってしまう事は大小あると思うのですが、なんとか乗り切っていきたいですねー。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 冬の札幌 | トップページ | 大雪 »

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ハルト

  • 20060/04/21
    2005年5月に生まれた長男「ハルト」の写真です

きになるリスト

無料ブログはココログ