建築家と建てた「四つ葉屋根の家」

2009.05.17

佐藤さんの残したもの

それはそれはながいながい夜でした。


2009年5月13日に亡くなった佐藤さん。
14日にお通夜があり、佐藤さんととても親しかった自分は、親族から勧められて、お通夜の夜、朝まで…正確には告別式が始まるまで佐藤さんと最後のお別れをすることができました。

深夜になっても、空が少しずつ赤くなってきても、まぶしすぎる太陽が昇ってきても、小学生の登校風景が葬儀会場の大きな窓から見える時間になっても、話が尽きないのは佐藤さんの思い出話。
佐藤さんの奥さんと3人の子ども達、佐藤さんの兄弟、そして眠っている佐藤さん。

…もう佐藤さんと過ごせる夜はこれで最後だもんね。


小さい頃のことを聞かせてくれた、佐藤さんの兄弟。
戦後すぐに生まれ、リアカーをひいて苦労した子ども時代。
信じられないくらい小さい家に兄弟ひしめき合って過ごしたころ。


お父さんはね…と話を聞かせてくれた奥さん。
新卒で開発局に勤め、設計を担当。
建物の設計の面白さに目覚め、以来設計の道を歩むことに。

いちばん面白いのは、なんといっても人の住む家。
自分はその家族にあわせたひとつひとつの家、いつか一戸建ての設計をしたい。そんな夢をもって邁進した20代30代。

独立して設計の仕事をしたこともあったけれど、それはやっぱり設計だけの仕事で、そうではなく建て主と語り合う部分もやりたい…家造りの最初から最後まで取り組みたい…それには施工管理、つまり工務店をやってみたい…
そう考えて、建築会社に入り直してがむしゃらに働いた時代。

そして信じ続けて夢を持ち続けて、20年かけて、17年前ようやく実現した夢。
それが工務店として独立すること。
それこそがまさに経営していた「ホームテクト佐藤」そのもの。


人生にとって家とはこうあるべきだ、という「家族の家」への熱い想い、哲学。
地産地消への半端ないこだわり。地元材であるカラマツへの愛着。

技術的な問題がひとつひとつ解決していき、カラマツでようやく家を建てられる目処がつき、そして建てた実験的な住宅…それがまさに我が家「四つ葉屋根の家」。

十勝の工務店では異色の存在であり、カラマツ住宅の先駆者であり、このところはようやく会社の業績も順調になっていき、やっと佐藤さんが夢見ていたものが形になってきた。

その矢先の病気…。


次男夫婦とは、次男夫婦と我ら夫婦、それに佐藤さんと一緒に家を建てたとき、それからみんなで一緒に旅行に行ったときのエピソードの数々。


本州に行ったとき。
フェリーは朝6時半出航、ホテルのロビーに6時集合って言ったのにオヤジ起きちゃいねー!
そして乗り場に行くと、なんとフェリーなんて影も形もない!あれー?オレ勘違いしてたかなー?と言う佐藤さんに唖然として大笑いしたこと。


フクロウが大好きだったこと。
輓馬が好きで、テレビのインタビューをうけて大喜びしていた顔。

沖縄が好きだったこと。お酒が大好きだったこと。
30年前に禁煙に成功して、それがいつも自慢で、タバコはやめとけよー、といつも言っていたこと。
うちの家の完成記念パーティでの嬉しそうな顔。

動物が好きだったこと。
15年30万キロ愛着を持って乗っていたボロボロのダットサン。
嫁さんが「おとうさん」って呼んでくれたときのうれしそうな様子。


意外と表現下手なところもあった。
次男夫婦に築地の寿司屋に連れて行ってもらって、そんなに喜んでいるふうでは無かったなー、と次男夫婦は言っていたけど、本当はものすごく喜んでいて、その寿司がどれだけおいしかったか、それはそれは楽しそうに嬉しそうに我ら夫婦に言っていたときの顔…


神もほとけも信じないからさー!オレ死んだら、ただのモノだから!…なんて死生観も言っていたよなー。

こうして葬儀の場で佐藤さんの横でみんなで話をしているところを見たら、なんて言うかな…こんなバカなことして!お経の意味なんかわからんよ!ってやっぱり笑っているんだろうなー


おいしい焼き肉屋あるんだけど、今から一緒に行かない?って誘われて愛車のオデッセイに乗せてもらったら、それは北見だったこと。


仕事に打ち込む姿とは裏腹に、少年のような無邪気なこころも持っていて、食玩の飛行機をコレクションしていたり。
そば打ちにはまっていた時期もあり、いつもそばをごちそうになっていた。

古いものが好きで、一緒にクラシックカーのお祭りに行ったり。
家の中は古い壁時計でいっぱい。

変なモノが大好きで、ランダムに動いて掃除してくれる妙な機械を買ってきて「これ使いなー」とかくれたり…

それでいて意外と飽きっぽいところがあり、そのときどきで夢中になっているものが違ったり。


佐藤さんは正直なものが大好きで。
自然や緑が好きで。リビングはジャングルみたいだった。
清水町の旭山に掘っ立て小屋を建てて、そこで自給自足しながら老後を送る…そんな夢を語っていたこともあった。

そういえばオレ死んだらカラマツの棺桶に入るんだー、なんて言ってたなー。
残念ながら実現はできなかったけれど…。


火葬場で次男が、
「そういえばじいちゃんの葬式のとき、オヤジここで喪服の上着を振り回していて、なにしているのかと思ったら、クワガタつかまえていたんだ…自分の父親の葬式で喪主なのに…」なんて笑っていたけど、本当にそういう感じの人だった。


自分たち夫婦もまた、佐藤さんとは本当に親しくしてもらっていて。
用もないのに頻繁に家に出入りして、本当に実家みたい。

このブログも楽しみにしてくれていて、「さとちゃん」と書かれたこのブログのとぼけたいくつかのコメント。
オーナーズクラブを設立したり、ウェブサイトを作ったり。

豊似湖という人知れぬ山奥の湖を一緒に歩いてみたり、一緒に旅行に行った事もなんどもあるし、一緒に食事した回数なんか数え切れない。

根っこの部分に流れる、人へのやさしさ。
家が好き、家づくりが大好きな気持ち。郷土への愛情。


家族、なかでももうすぐ成人式を迎える娘ちゃんのことを誰よりも大事にしていて、いつも気にかけていて、高校決まったよー、とか、旭川での様子をよく話してくれた。


我らに子どもができたときはとっても喜んでくれて。
子どもが大好きで、いつも子ども達と遊んでくれた。自称、ハルトのじいちゃん。

でも「やめて」と言っているのに、いつも赤ちゃんのハルトに六花亭のお菓子をあげていたなー。ハルトが生まれて初めてケーキを口にしたのも佐藤さんちでだったなー。


ハルトの言葉が遅いのをずっと気にかけてくれていて。
ハルトに「さとちゃん」って呼ばれるのがすごく嬉しくて。
もちろんハルトもさとちゃんのことがとても大好きで、今日はさとちゃんち行かないの?なんてよく言っていた…。

住宅公開のときにハルトにチョコレートをあげていて、チョコでベタベタの手で新築の家を触ったら困るから妻が「クルマで食べなさい」と注意していたら
「おまえのかーちゃんうるせーなー」なんて笑っていた事もあった。


お互い頻繁に電話していて、うちの電話の通話の大半は佐藤さんとの受発信だった。
「いまさー、道路ですれ違ったっしょ?どこいくの?」
なんて電話が何度かかってきたことか…。


私たち夫婦のこともものすごく可愛がってくれて、間違った事をしようとすると「それは違うんじゃない?」と叱ってくれたり。

佐藤さんを通して知り合いになった、たくさんの人たち。

人として大切なものをたくさん持っていた佐藤さん。

私たち家族は佐藤さんのことが本当に大好きでした。
誰よりも頼りにしていました。
佐藤さんが残していったものは大きくて、そして力強い。

価値観がすごく似ていて、不思議にわかりあえる部分が多くて、佐藤さんは「十勝の親代わり」っていつも言ってくれていて。
それは本当なんだけど、でも今思えば、それ以上に大切な友人だったんだな…


いつまで経っても思い出は尽きる事がなく、線香をあげながら、佐藤さんと過ごしたながいながい夜も終わり…


尽きない佐藤さんのエピソードを語り合ってみんなでいっぱい笑って、そして人間はこんなに泣けるのか!?と思うほどずっとずっと泣きました。
佐藤さんと最後のお別れができて本当に良かった。


…とはいえ、こんなふうにいろいろ書いても、ひんやりした顔の感触を思い出しても、火葬場の煙突を思い出しても、それでもまだやっぱりなんか夢を見ているみたい。

アスパラ食べる?いまから行ってもいいか?っていますぐにでもまた携帯がなる気がする。
葬式の準備のときも「ねえ、今日葬式なんだけどお金いくらつつめばいいんだっけ?」って電話しそうになっちゃった。



携帯電話の着信履歴、佐藤さんと最後に話したのは4月28日の昼前。

…オレ抗ガン剤で足弱っちゃてさー、ハルトの木馬、あれでリハビリしたらどうかなー?
えー?あんなのサトーさんには小さすぎますからーアハハ
そうかなあ?いいと思うんだけどなー

…今思えば、佐藤さんはハルトと夏樹に会いたかったのかもしれないなー。

病室も知っていたのに、抗ガン剤の影響で抵抗力が極端に落ちているから、子どもを合わせるのは良くない…という判断をしていて、あえて会いにいかなくて。ごめんなさい。

ガンはやっつけたから退院したら一緒に鎌倉に行こうぜ、なんて話もしていたし、まだまだこれからやることを計画していた佐藤さん。
本当にどこまでも前向きな人でした。



最後に佐藤さん。
私たち家族に、人生のステージを作ってくれた佐藤さん。

もう電話はかかってこないけれど、これからも私たち家族のことをどこかで笑いながら見守っていてください。

私たち家族はあなたと一緒に時間を過ごせて、家づくりを一緒にできて、子どもの成長を一緒に見守ってもらえて、そしてあなたと友達になれて、とても幸せでした。本当に幸せでした。

どうもありがとう。

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佐藤さん

佐藤さんって身近すぎて意外と写真がない…
でもそのなかから生前の様子をご紹介。

Sa1
住宅公開で夢中で夏樹と遊ぶ佐藤さん。
あのー、お客さん接客しなくていいのかなー?(笑)

Sa2
どこかの牧場に一緒に遊びにいったとき。ウマが好きでした。

Sa3
網走湖に一緒にワカサギつりに行ったとき。
いっぱい釣れて大喜び~

Sa4
我が家の完成記念パーティで、ひつじのシュウパウロを作ってご満悦の佐藤さん。
十勝産ひつじを手に入れるのは難しかったみたいだけど、美味しかった!

Sa6
うちの実両親と佐藤さん夫婦。
実両親とも何度か焼き肉したりしてました。
一緒に鎌倉行きたかったなー。

Sa5
オーナーズクラブの焼き肉パーティにて。
オーナーズクラブの名ばかり代表だったけど、佐藤さんがいなくなってもまたやりたいなー

Sat
そして最後は、お風呂に入っているコレ。
誰に聞いてもこの写真がいちばん佐藤さんらしくて。
お葬式でもこの写真が紹介されていました。

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2009.05.14

お知らせ

我が家を建ててくれたホームテクト佐藤の社長、佐藤正幸氏が亡くなりました。

このブログでも建築家としてたひたび紹介している佐藤さん。

我が家は佐藤さんと個人的にとても親しくしていて、用もないのに頻繁に遊びに行ったり、孫がいないからかハルトと夏樹をまるで孫のように可愛がって貰ったり…。

一緒に旅行に行った事も何度もあるし、単なる工務店の社長と建て主というつきあいを遙かに超えて、まさに家族のような仲でした。

つい先々週、電話で話したばかりだったのに…まだ62歳の若さなのに…微熱が続くんだよね、なんて言っていたのは昨年末だったのに…

本当に残念です。

通夜は帯広のベルコセレモニーホールで本日14日19時から。
明日15日午前10時から告別式。

このブログを通じて問い合わせをしてくれた方も多数居て、なかには実際に家を建てた方もいるし、佐藤さんとやりとりがあった方も多くいるはずなので念のためお知らせしておきます。

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2007.11.27

薪ストーブと薪

今年もまた薪ストーブの季節がやってきた。
2003年に家を新築して、この家のなにが一番いいか、と聞かれたらやっぱり一番に挙げたいのはこの薪ストーブだ。

その重量感や存在感もいいし、火を付けてゆらゆらと薪が燃えていくのを見るのもいいし、木の燃える匂い、ぱちぱちとはぜる音、じんわりとしたあたたかさなど、最近家を建てた人で薪ストーブを設置しなかった人には「なんで薪ストーブを設置しなかったのか」と小一時間追求したいほどだ(笑)

Stove1
ストーブって置いてあるだけでちょっとカッコイイ…この写真は新築時のもので、現状とはかなり異なります(笑)

朝一番に起きて、少しひんやりしたリビングで焚き付けを組んで火を付ける。
火がついて、ゆらゆらと燃えるのを確認したら次第に大きな薪を入れていき、触媒と吸気のレバーを操作しながら火をあやつっていき、薪の燃えるパチパチという音とともに次第に部屋が暖かくく過程は、まさに癒しと言えるような気がする。

やり方にもよるけど、今とても高価な石油を燃やすよりも経済的だし、この手のストーブは触媒で2次燃焼3次燃焼させることでとても高効率で排気はクリーン、もちろんカーボンニュートラルでエコでもあって、いいことづくめだ。

さて、そんな薪ストーブだけど、燃料はもちろん薪。
もちろん木の種類や乾燥状態により、燃えるときの温度や火の持ち、それにヤニの量などは全然違うのだけど、でも基本的には木であればなんでも大丈夫だ。

そこで今まで主力燃料として使っていたのは、この家を建てた際に出た建築廃材。
人工乾燥をかけてあるので乾燥状態はばっちりだし、無垢のカラマツなのでわりと薪ストーブの燃料には適している感じだ。

ところが4年目になっていよいよ廃材が残り少なくなってきて、さあどうしよう?と思っていたのがこの秋。2007年冬のぶんはなんとかなりそうだけど、2008年冬のぶんはもう無い。

薪の調達には、森林組合から原木を買う、林産家のところに行って原木を分けてもらう、新築現場に行って廃材をもらってくる、などいろいろ方法があるけれど、どれも結構手間がかかる。

原木の場合はそれをチェーンソーで適当な長さに切り、それを薪割りし、さらに1年近く乾燥させなければ薪として使えない。

エンジンチェーンソーはないし、エンジンチェーンソーを買うのは簡単だけど使いこなす自信はあんまり無い。薪割りもかなり重労働。木を運ぶ軽トラも無い。

そして一番の問題はそれをやる時間がまったくない。
今は朝から晩まで子どもらの世話と家事で手一杯で、自分のことができる可能性がある時間は、一日のなかで朝のほんのわずかの時間だけ。もちろんシュフ業には休日もないし、かといってチェーンソーや斧を子どもと遊びながらやるのは危険な感じがする。

…と少し困っていたら、池田町に住む知り合いからメールが来て「薪の配達をはじめたのでどうですか?」とのこと。
そりゃ助かる…ということで、自宅におじゃまして話を聞いたのが先日。
今日はその薪を持ってきてくれた。

Stove3

4トントラックで持ってきてくれたのは、1.2立米の楢(ナラ)の薪。
すべて30センチの長さに切りそろえてあって、もちろん乾燥もばっちりで、すぐに薪として使える素晴らしいモノだ。広葉樹、なかでも楢は薪としては最高で、火の持ちも良いし、燃焼時間も長いし、建築廃材とは大違いだ。

田舎暮らしにおいて、薪は基本的に自分で作るモノであり、出来上がっている薪を買うなんて邪道な感じもするけど、でも我が家はとても助かったし、いつでも連絡すれば大丈夫、という安心感もある。

Stove2

なんにしろこれで今年の薪はバッチリ。
今年もまた薪ストーブが楽しめて、とても嬉しい我が家だ。

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2006.08.18

家に真剣に取り組む

先日、我が家を設計した工務店社長氏がうちと同じような家を建てたい…というIさんを連れてやってきた。

「うちはモデルルームじゃないし…」と当初はちょっと思っていたけれど、Iさんが語る地元の素材で家を建てたい、という話や、家族のあり方を考えたとき、自分たちはこんな家が欲しい、という話についつい引き込まれ、なかなか楽しい時間だった。

そのなかで、うちの家を設計し、建てた社長が言ったこと。

「家造りは真剣に取り組まなければいけない」

家はその人の人生の舞台であるし、人の価値観や生き様を形に表したもの、そしてその家族の顔だから、その人、その家族の生き方や「どう年齢を重ねていきたいか」ということをしっかりと見つめ、それを反映したものでなければならない。

だから当然、家は100軒建てたら100軒とも違うモノになるのは当たり前で、それが自分の仕事だと思っている。だから施主に対してもいい加減な気持ちで家を建てないよう、大きな部分から細かい部分まで、きちんと詰めることをいつも注意している…という話。

…なるほど。
そんな考えで家の設計を行っていた、なんて話は初耳だ。

でもやっぱり思い返してみれば、「これでもかっ」と打ち合わせを重ねたり、同じ本をたくさん読んだり、一緒に講演を聞きに行ったり、さらには一緒に旅行して建築家や林業家を訪ねたり…という「意識合わせ」の部分、そしていろいろな要素を検討しあう「話し合い」に、ずいぶんと時間を使ったのがこの人との家造りだった。

手間と時間ばっかりかかり、工務店経営的に見て上手な家造りとは違うなー、といつも感じていたけれど、そんなポリシーがあったとは。


この家は建って3年経ったけれど、いまでもこの家が大好き。
それはやっぱり自分は家造りに真剣に取り組んで、十分考え抜いたものだし、当時として自分たちが導き出した一番良い「自分たちにあったもの」だと思えるから。
自分たち家族の顔です…と自信を持って言える。

そう考えると、「家造りは真剣に取り組まなければいけない」というのは正しい考え方なんだろうな。

うちはもう次の家造りがあるのかないのか、たぶん無いとは思うけれど「家は真剣に建てないといけない」という言葉は頭の隅に置いておき、これからうちを見に来る人に伝えていきたいと思う。

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2006.05.15

オーナーズクラブ設立の理由

私たちの自宅「四つ葉屋根の家」を建てたのは、幕別町にある小さな工務店。

彼の設計する木の家の空間デザインや、地産地消のコンセプト、住まいと生活はこうあるべき…という価値観のようなものがとても好きで、彼の設計した家を建てて住んでとても満足しているし、依頼して本当によかった…と思っている。言ってみれば彼のファンでもある。

また彼ら一家とはとても親しくしていて、一緒に旅行に行ったこともあるし、「新しい家出来たんだけど見に来ない?」と電話がかかってきて、家を見に行くことも多い。
だからここ数年の間に建った、彼の設計した住宅はほとんど見て知っているし、どの家もとても好きだ。

そうして新しい家を見に行くと、いつも顔を合わせるご夫婦なんかもいて、同じような家を好む人たちとは、家への価値観も近いはず…とはずっと考えていた。

そこで、そんな人たちで集まって「家ばなし」をしたり、新しい家をみんなで見に行って、「あーでもない、こーでもない」と言い合ったら楽しいのでは!?

ということで、工務店社長氏とも相談して、かねてからあたためていた「オーナーズクラブ」を設立することになった。
日曜日はその記念すべき1回目の会合。

自分が発起人になってなにか集まりを主催する…なんてことはほとんどなく、どうなることかと思ったけれど、20数人の「オーナー」たちが集まってくれて、和気あいあいと焼肉することができた。

世代も住んでいるところも職業もバラバラだけれど、基本的にはみんな自分の家や、同じような木の家が好きな人たちばかりで、話は大いに盛り上がった。

「四つ葉屋根の家」を見て、建築を決めた…なんて話も聞けたし、みんなで最近建った家に押しかけて、家中見せてもらったりと、とても楽しい時間だった。
いままで家は知っていたけれど、ああ、あの家はこんな人たちがこんなふうに住んでいるんだなー、アレはこういう理由だったのか…なんてこともいっぱい。

工務店社長氏も自分のファンばかり集まって、みんなに囲まれてとても嬉しそうだったのが印象的。

家を建ててからもう3年も経つというのに、やっぱり家つながりでこんなふうに人が集まったりするのも、なんかいいなーと思った、そんな会合。やっぱり家には思い入れがいっぱいあるほうが楽しい。
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#いま書店で売っている「田舎暮らしの本」という雑誌に、私たちと「四つ葉屋根の家」話が4ページほど載っています。
このブログの内容に比べて新事実?が書かれているわけではないし、写真はこちらから提供したものなので見たことあるモノばかりだと思うのですが、どういうわけか顔写真がいっぱい掲載されていたり、名前が載っていたりするので、興味ある方は立ち読みしてみてください。

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2006.03.13

引き出しベッド

2階にある3畳ほどの小上がりの下は、「ここ引き出しにならないかなあ?」という思いつきが形になって、奥行き1.8mはあろうかという巨大な引き出しになっている。

なかにはホットプレートとか、アイロンとアイロン台、奥には仕込み中の味噌なんかが入っているのだけれど、最近それに加えて新しい収納品が増えた。

それは赤ん坊(笑)

引き出しを少し出して毛布を置いてあげると、ちょうどいいベッドになる。
赤ん坊が昼寝のときは、自分が用事のある場所の近くで寝かせるのがいいのだけれど、1階の場合は寝室のベッドへ。
2階のリビングや台所に用事があるときは、この「引き出しベッド」で寝かせるのがいいみたい。

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↑引き出しベッドで寝るハルト。そうそう、ちょうど前回の立っている写真と同じ位置です。

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2006.02.28

台所プチリフォーム

家が建ってしばらくしてから、台所の収納が微妙に足りなくなってきた。

理由はいくつかあるのだけれど、ゴミの分別が多くなってゴミ箱の数が増えたこと、家族が増えたこと…などが大きな理由。

ゴミ箱は食器棚となりの空きスペースに置いていたけれど、ちょっと見た感じキレイではない。

コーヒーを飲む習慣や、パンやピザを焼く習慣も新築当時はなく、それらに伴う食器や道具類の収納場所も欲しいところ。トースターとホームベーカリーの置き場所もない。

そこで、今置いている食器棚のとなりに新しく収納家具を置くことにした。

最初は家具屋さんを見たりもしたけれど、家の雰囲気とあっていて、かつサイズもあっているものなんてまったく無い。

DIYもいいけれど「安く作る」ことはできたとしても「美しく作る」となると無理。

そこで思い出したのが、家を建てるときに知り合いになった建具屋さんの職人Hさん。
彼に作ってもらおう。

工務店のオヤジさんが遊びに来たときに構想を相談し、ついでに台所の空間を引き締める意味合いも兼ねて、収納家具の設置とともに壁を一部新設することにした。

というわけで、以下の作業を依頼。

・工務店のオヤジさん…全体のコーディネートと、塗り壁を塗る。
・大工さん…柱を新しく建てて、壁をつくる。
・電気設備屋さん…スイッチの移設とコンセントの増設、それに照明の配線の見直し。
・建具屋さん…収納家具の制作。

収納家具のデザインとサイズは私たちが考えてラフスケッチにし、打ち合わせの際に建具屋さんに渡した。

そして先日、建具屋さんが作っていた家具ができあがり、据え付け終了。

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↑できあがったのがコレ。

左側の幅40センチくらいの、スイッチとインターホンが付いている壁が今回新しく作った部分。

ここだけ新しいので、カラマツの木が他のところより少し白い。

冷蔵庫と並んだ、炊飯器と電子レンジがのっている棚が前からあった食器棚。

そして、その間の部分が今回作ってもらった作りつけの収納。
下の取っ手の部分は手前に引くと2つのゴミ箱が入るようになっている。

食器棚と家の空間にデザインを合わせ、素材も食器棚と同じナラ材にしてもらったので、なんともいい感じ。

後から追加したとは思えないほど、うまくリビングの雰囲気にマッチしているし、もちろんホームベーカリーとトースターもちゃんと置けるし、下の部分にはゴミ箱がちゃんと入る。

予想よりもいいものができてとても満足。

見えるところにでていた、お茶っぱだの、赤ちゃんや犬のおやつだの、ごちゃごちゃしたものもみんな収納できた。

柱と壁を追加したのもほんの少しだけれど、以前よりも空間が引き締まってとてもいい感じ。


家づくりを通して得したこと。
それは、大工さんをはじめ、たくさんの職人さん達と知り合いになれ、こういうときはこの人にお願いすれば良い、ということがわかったことだ。

こんな感じでこれからもその時々の生活に合わせて、家を拡張したり、変えたり。

やっぱり家造りはおもしろい。

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2006.01.19

カラマツの床

私たちの住まい「四つ葉屋根の家」は、リビングはもちろん、寝室、ロフト、トイレから台所、廊下に至るまで、すべて地元産カラマツの無垢の板を床にしている。

厚さ3センチの板を全面に張った床は、無塗装仕上げの自然な雰囲気がけっこう気に入っている。

カラマツの木は枝が多く、そのぶん節が多い。
だから床になってもやっぱり節が多い。

そしてカラマツは成長が早いので、そのぶん木がやわらかい。
だから赤ちゃんにも安心だし、転んでもそれほど痛くない、やさしい床だ。
赤ちゃんは床をなめたりすることもあるけれど、掃除さえちゃんとしておければ、床をなめても大丈夫。

じゅうたんのようなものを買おうかな?と思ったこともあったけれど、やっぱり木のこの雰囲気や風合いが好きなのでじゅうたんを敷くのはヤメにした。
同じ理由でワックスも塗らないし、もちろん色も塗らない。

犬がツメを立てたり、お皿を落としたりしてキズにもなるけれど、でもそれも自然な風合いとして受け入れることにしよう。
築2年半を経て、色が多少赤っぽくなってきて、それはそれでいい感じ。

無垢の木は少し縮んで隙間があくこともあるし、キズも付く。
それを克服するために合板でできたピカピカのフローリングが開発され、盛んに使われているというのに、やっぱり昔ながらのこんな木の床に惹かれてしまうのは何故だろう。

ここ十勝で太陽を浴びて、大きくなった木で家を建て、その素材に囲まれて家族は大きくなっていく。
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2006.01.13

家の点検とプチリフォームのオーダー

我が家は地元産カラマツを使って建てた家。
林に行って生きている木を見て、それを倒して乾燥し、大工さんが墨を付けて、のこぎりとノミとカンナを使って建てた家だ。

あくまでも地元産の木を、そのままの姿で使いたい…という希望を持っていたので、集成材に加工することもなく、いわゆる無垢のままで、そして柱が見える「真壁」という工法で建てた。

ところが無垢の木というのはやっぱり生き物だから、時にが経つにつれ、多少は反ったり、ねじれたり、やせたりするもの。(だからそれをいやがって、最近の家は柱には集成材を使うことが多い)

というわけで、今日は新築から2年半を経た我が家に、点検と数ミリ梁が痩せてしまったりしたところを直しに大工さんと工務店の社長がやってきた。

梁の痩せを指摘された箇所は「言われてみれば多少反っているかな?」という程度だけれど、少し補強を入れたりして修正。建て主である自分はよくわからないけれど、大工さんにとっては納得のいく状態になった様子。

そうだ、大工さんが来たついでにちょっと気になっているところをリフォームしてもらおう。

まずひとつめ。
台所まわりの収納が少し足りないのと、いつも見える状態になっているゴミ箱が気になるので、新たに40cmくらいの幅の壁を作って、その横に作りつけの収納をオーダー。
ゴミ箱はその収納庫の下段に隠れるようにしよう。

大工さんには柱と壁を作ってもらい、収納庫は建具屋さんの仕事。サイズを決めて、だいたいのデザインを決めてイラストを描いて「こんな感じに」と言えばそれでOK。壁についている照明のスイッチが使えなくなるので、ここは電気設備屋さんに言って移動かな。

ふたつめ。
2階のリビングから1階に降りる階段からハルトが落ちていかないように、階段に取り付ける可動式の柵のようなものも作ってもらおう。

柵については赤ちゃん用品店やホームセンターなどでも売っているけれど、あのプラスチックの質感や、ファンシーなデザインがどうしても受け入れられない…。

家に赤ちゃんがいると、どうしてもプラっぽいものやファンシーなものであふれてしまうけれど、木にとことんこだわった家に住んでいるのだから、そういうものはできるだけ排除して家の雰囲気にあったものが欲しい。

建具屋さんや大工さんにオーダーメードで依頼する…なんていうと、とても高そうだけれど、大工さんがそれを作る速度と、手間賃単価から想像する予想価格から言うと、既製品とそれほど違わない値段でできる…はず。(びっくりするほど高かったりしたら笑えるけど)

家はその住まい手や住み方、ライフスタイルによって、その姿はどんどん変わるべきだし、それができるのが「自分の家」のメリットだ。

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↑正面のライトのところに落下防止柵、右のスイッチのあるところにスイッチを移動して壁と作りつけの収納を作ります。

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2005.11.02

木の時計

我が家のリビングの壁に、木でできた時計がかかっている。

この時計、北海道に移住してすぐ、まだ家を建てる構想すらない頃に、たまたま通りがかった旭川のイベント会場で見つけたもの。
誰か旭川近辺の木工クラフト作家が作ったもので、ひと目で気に入って迷わず買ったものだけれど、いまとなっては誰が作ったものかもわからない。

この木の時計、小さくてあまり存在感もないけれど、実はとてもとても気に入っている。

秒針はなくて、短針と長針は木の枝で出来ている。
本体は木の板で、数字の部分には穴があいている。

秒針が無いので音が静かなのもいいし、動いているんだかいないんだか、というような存在感の無さがとてもいい。飾りっ気がなくシンプルなのに、でも暖かみがある。

これを手にして帰ったとき、見れば見るほどに気に入ってしまい
「ああ、こんな時計が似合う家が欲しい」
そんなふうに思った。
うまく表現できないけれど、この時計が持っている空気感というか雰囲気というか、そういうものがとてもいい。妻に聞くと、彼女も同じことを考えていたという。

当初はログハウスがいいかも?というところから話が始まり、家についての勉強を深めていくうちにログハウスは選択肢から落ちて、新住協の提唱する木造工法の考え方を元にした家を小さな工務店に依頼することになったけれど、でも「この時計が似合う『木の家』」という最も基本的な設計思想は建築家にはきちんと伝わり、それをそのまま生かした家が建った。

木の壁、木の柱、丸見えの柱や梁など、木のやさしさと重厚感を併せ持ったこの家は、実はベースとなるデザインコンセプトにこんな小さな時計があった。

あまりにも家の内装に時計が溶けこんでいるからか、「家にあわせて時計を作ったんですか?」と聞かれることがあるけれど、いえいえ時計にあわせて家を造ったんです。

だから、リビングでいちばん良いところにこの時計専用の場所がある。
この時計を照らす照明だってあるし「夜の暗がりを楽しむ暗い部屋」になったときにも、時計のところだけは薄ぼんやりと明かりが残る仕組みになっていたりもする。

時計にしても家にしても、高級品でもブランド品でも高価なものでもないけれど、こんなお気に入りのもの、本当に自分たちがいいと思ったものに囲まれて生きていけるのは幸せなことだ。

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そんな私たちのお気に入りの木の時計は、今日もリビングで静かに時を告げている。

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2005.08.31

ステンドグラス

昨年秋にも取り上げたことがあるけれど、新築時の写真と元デザイン画を発見したので再びご紹介。

このステンドグラスは、私たちの自宅「四つ葉屋根の家」の玄関の横に付いているもの。
家の設計段階で、
「いがさん、家にステンドグラス付けない?」と言われたのが話の始まり。

工務店社長兼設計者の知り合いでステンドグラス作家の人がいて、最近建てた家にはけっこうコレが付いている…ということらしい。

よくわからないけれど、ちょっとおもしろそう。
我が家は妻がデザインが本業なので、妻がデザインを担当して、その人がステンドグラスを制作する…ということですぐに話がまとまった。

このあたりの風景っぽいデザインにしよう…ということで、ステンドグラス作家の方に「デザインのルール」をヒアリングし、妻がサラサラっと作ったのがこれ。

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うーむ、さすがプロですな。
他にも2案あって、どれも捨てがたかったのだけれど、今回はこれを選択。

これを印刷して渡し、待つこと数週間。
完成したのがコチラ。

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左上の太陽を勝手に赤い色に変えられてしまったのだけはちょっと気になるけど、でもなかなか良いものが出来た。

ちなみに新築時の見積書もみつけたので見てみたら、ステンドグラス制作費として計上されていたのは7万円だった。
妥当なのか安いのか高いのかさっぱりわからないけれど、まあそんなものじゃないんだろうか。
工房に制作風景を見せてもらいに行ったけれど、半田を使った制作はとても大変そうで、その手間と技術料としては安いような気もする。

技術的には、ステンドグラスの両側をペアガラスで挟んでおり、寒さ対策という意味では問題ない。

朝は外が明るいので、家の中から見ると見やすく、夜は逆に家の中が明るいので、外から見ると見やすい。
夜帰ってくると最初に見えるコレを見ると、あぁウチに帰ってきたなー、なんて思ったりもする。
玄関周りの照明は白熱灯にしたので、温かい色合いになっていい感じだ。

こういう装飾、なくても全然問題ないし、あったからといってなにかの役に立つわけでもないのだけれど、でも実用&コスト一辺倒じゃなくて、ずっと暮らす家なのだから、少しくらいこういう要素があってもいいはず。


家づくりって、建て主がたくさん関われば関わるほど建て主は楽しいし、出来上がった建物に愛着が持てると思う。(付き合わされる工務店は大変だけども)

このステンドグラスひとつだけでも、デザイン決めるのに何枚も印刷した案を前にふたりであーでもないこーでもないとやり、やっとデザインが決まったら、今度は工房の見学に行って制作風景を見せてもらう。
設置位置も図面を前に「うーん、もう3センチ下のほうがバランスがいいかな?」なんて言ったり、施工するときも「おおっ」とか言いながら見学したり。

ああ、家づくりは楽しかった。

…また家建てたいなぁ。

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2005.07.12

木と花の家

木が好き。
住むなら誰がなんと言おうと木の家。

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私たちの自宅「四つ葉屋根の家」は内装はもちろん、外装材(外の壁)にも木材を使っている。
地元で育った地元産の木を使おう、ということで、十勝産のカラマツ材だ。
防火の規定により、外装材に木材を使えない地域も多いようだけれど、ここは田舎なので大丈夫。

縦張りにしようか、横張りにしようかと迷ったあげく、このようなシンプルな横張りに。
色はこげ茶色に塗ってみた。
なかなか風合いがあって、とてもお気に入り。
ときどき木のすき間にテントウムシが越冬していたりもするけれど、それも安全な家の証。

窓の下には花のコンテナ。
ヨーロッパの家のように、窓の下に花がある家にあこがれがあって、こことこの上の窓の下にも同じモノがある。

これは家の建築途中で大工さんに「ここに花台が欲しいな~」という話をしたら、こんなんでどう?と作ってくれたもの。
うんうん、素晴らしいです。ありがとう!

季節毎に妻がいろいろな花を咲かせていて、今は淡いピンクのペチュニアが咲いていて、とてもきれい。

この窓の向こうには赤ちゃんが寝ているのだけど、花の香りと涼しい北海道の風につつまれて、とても気持ちよさそう。

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2005.06.24

緑化屋根と特製ハッチ

「四つ葉屋根の家」は、屋根の上に土が載っていて草が生えている…という都合上、ロフトから屋根に簡単に行けるようになっている。
その秘密がこのハッチ。緑化屋根への出入り口だ。
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初期設計案はベランダからハシゴで上がるタイプだったけれど、ハシゴはちょっと怖いし、手に荷物を持っていると厳しいので、もっと気軽に屋上に出たい!という希望を出して実現したのがこれ。

設計担当者と、建具やさん、そして施主の自分が「うーん」と知恵を出し合って作った、完全なオリジナル品。
具体的には設計者が案を出して、施主と細部を詰めて設計図を起こし、それを建具やさんにお願いして作ってもらったもの。
もちろん全員がこんなものを作るのは初めてだったけれど、なかなかいいものができた。

屋根面は屋根と同じガルバリウム鋼板で、中には厚さ20cmの断熱材入り。
ハッチの立ち上がり部分にも断熱材がたっぷりで寒さ知らずだ。

ダンパーは自動車の後ろのドアのものを流用していて、ある程度開けるとあとは自動で開いていく…というちょっと気が利いた仕様になっている。
最初は軽自動車用のものだったけど、ハッチが重すぎて機能せず(数十キロあるみたい)大型車用のものに換えた…なんてエピソードもあったり。

黒いゴムの部分は家の気密を保つためにあって、ハンドルを閉めるとテコの原理でばっちり密閉できるようになっている。

どこから聞きつけてきたんだか、どうしてもこのハッチを見せて欲しい!という知らない人が見学に来たこともあるという代物。

木造の個人住宅で緑化屋根というのもかなり変わりダネだけど、このハッチも「へんてこ装備」のひとつ。
施主の「ハシゴは怖いなぁ」…くらいの一言でこんなものまで作ってしまうのが個人工務店、建築家との家造りのおもしろさだ。

屋根の上でなにをするかというと、夕暮れの空を眺めたり、星を眺めたり。
当初予定では屋根の上でバーベキューをしてみよう、あるいはテントを張ってキャンプしてみよう…なんて話もあったけれど、それはいまのところ実現していない。
楽しそうだけど、さすがにちょっとまわりが気になるかなあ(笑)

とはいえ2階建ての家を見下ろす高さというのもけっこう気持ちいい。
誰かこの屋上でバーベキューやキャンプにチャレンジしてみる方はいませんか?

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2005.05.17

リビングの必要性

「四つ葉屋根の家」の構成は、夫婦寝室と仕事部屋、それにLDK。
そのほか、子ども部屋や客人向けに使えそうな汎用スペースと、トイレや風呂がある。

新築してもうすぐ2年、現状の部屋の使い方をちょっと振り返ってみた。

まずダイニング。
ご飯を食べたり、食後にしゃべったりお茶を飲んだりしてくつろぐのは、畳コーナーのあるダイニングスペース。
友人が遊びに来たりするときに座ってもらうのも、ダイニングスペースが多い。

続いて仕事部屋。
仕事部屋にはパソコンがずらっと並び、基本的には仕事をするための部屋だけど、パソコンを使う趣味(妻だったら庭の設計図や絵を描いたり、タネをネットで調べたり。自分だったら写真をいじったり、ブログ書いたり)はこの部屋で。
ここには仕事上のお客さんは来ないし、個人情報を扱う関係で仕事以外のお客さんも原則立入禁止なので、わりと良い感じに散らかっており(笑)、趣味の本などもここにあることが多い。

仕事部屋には違いないけど、実際には大人ふたりの書斎といった感じか?
冬は全面床暖房、夏はエアコンがあるので、いちばん過ごしやすいのもここ。

そして夫婦寝室。
寝るときは当然として、風呂に入る前後などの時間は、ここのベッドでゴロゴロしていることが多い。

と考えていくと、一番使っていない部屋は実はリビングだ。
リビングの目玉設備としてホームシアターがあるけれど、別に毎日映画見るわけではないし。

↓新築時のリビング。
living

この部屋の雰囲気にあった気に入ったソファが見つからず、唯一の解決方法であるオーダーメードはちょぉっと高くて今のところ手が出ず、未だにこの写真のように床座り状態なのも使わない理由の1つかも。


まあこれから子どもが生まれて家族構成が変わると、部屋の使い方も変わっていくとは思うけれど、家の設計時に想定した生活と、実際に2年弱住んでみての生活を比較してみると、こんなにもリビングを使わない…というのは意外だった。

かといって私たちにはリビングはいらない…とまでは思わないけれど、しかし全体としては小さい家なのにLDKだけで28畳くらいも占領しているのはちょっともったいないかなあ、と思ったり思わなかったり。

私たち専用の家ゆえ一般論は一切不要、という考えから「普通は」という言葉を禁句にしていた家づくりだけど、今思えばやっぱり「普通はリビングがある」という常識にとらわれていたのかも?

あんなに考えて考えて考えたつもりだったけれど、やはり家づくりというのはなかなか難しいものだ。
ま、それが楽しいところでもあるけれど。

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2005.03.29

炎のあるリビング

stove
薪ストーブに火を入れた。

薪ストーブは楽しい。
ほんの少しの古新聞や焚き付けの枝に薪を組み、火を入れて炎がほのかにあがる瞬間は、まるでなにかの儀式のよう。

ゆらゆらと燃える炎、パチパチとはぜる音、ほんの少し香る煙、そしてゆっくりとしたあたたかさ。

冬の寒い日に、雪を見ながら火遊びをする時間は、まさに至福の時間だ。


いよいよ2004-2005年の冬も終わろうとしている。

この薪ストーブだが、今年も火を入れた回数は少なかった。
ブログの記事によると、初めて火を入れたのは10月1日。

今年は年末年始の帰省をしなかったので、比較的家にいることが多かった。
しかしそれでも薪ストーブに火を入れた回数は10数回といったところ。

本当はもっと火を入れたいところなのだが、なかなか難しい。
それはこの家の設計、薪ストーブの基本方針による。

-薪ストーブは遊びの要素。


薪ストーブというのは、時間をたくさん必要とするものだ。

薪の確保、つまり林産家に交渉して譲ってもらい、木を切り、自宅まで運び、薪割りして乾燥する過程。
そして、燃焼中も薪を追加したり、吸気排気を調節して火力を調節する必要がある。
ときには煙突掃除も必要だし、排気煙をクリーン化する触媒の手入れも必要だ。

残念ながら、今の私たちにはそんな時間的余裕はとても無い。
つまり我が家の薪ストーブはメイン暖房としての地位を与えられていない。

すると薪ストーブなしでも十分暖かい石油による暖房設備を備えることになる。

石油ストーブ消して使えば?という声も聞くが、高気密高断熱住宅においては、石油ストーブを消したところで、そう簡単に温度は下がらない。
外がマイナス20度くらいあっても、石油ストーブを消しても1日くらいは十分暖かいのが、今の北海道の家。
まさか3日先の薪ストーブのために、今から石油ストーブを消しておくのも現実的ではない。

そんな状況なので、思い立って薪ストーブに火を入れても、こんどは暑い。
真冬なのに、はだかに近い格好で汗ダラダラ流しながら、火をいじるのはかなり変な光景。

微火力で燃やせば良いのだが、たまにの薪ストーブ、ついつい薪を入れたくなってしまう。
もちろん窓を開ければ温度は下がるけれど、せっかくの暖房なのに、マイナスの風を取り込むのもちょっと。


というわけで、なかなか薪ストーブの出番は増えない。
「2ヶ月で無くなるかも?」と言われていた、家を建てたときの余り木材はまだ潤沢にあって(3立方メートルくらいか?)、庭の一角を占領している。

秋頃になったら、今度の冬こそは!とまた思うんだろうな。

いつか歳をとって時間的な豊かさを手に入れるときが来たら、石油ストーブの利用を全面的にやめ、薪ストーブだけで一冬過ごしてみたい。

黒いストーブを見ながら、そんなことを思った。

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2005.03.18

小さな工務店

少し前に、四つ葉屋根の家は誰が建てたの?というお問い合わせをいただいたので、今日は工務店の話。

この家を建てたのは、幕別町にある小さな工務店。
会社形態としては有限会社だけど、社長であるオヤジさんと社員が息子さんひとり、それに奥さんが経理をほんのちょっとやっている…という程度の規模だ。(いまは息子さんが退職して放浪の旅にでて、代わりに社員がひとり入ったみたい)

家の新築に至るまで、大きなハウスメーカーから、この工務店程度の小さいところまでいろいろな会社を見た。
大きなハウスメーカーは、「大きいことの安心感」や「ブランド」を売りにしていたような気がする。

私たちの場合ははじめからブランドになどに興味はなかったし、そういうことを言うようなメーカー、たとえば業界上位のあの会社や、某北欧の国の名前が社名に付いている会社などは、そもそも内容の割に値段が高く、営業マンの熱心さとは裏腹に、あまり関心なしだった。
値段の高さについては、この熱心な営業マンの人件費、常設のモデルルームの経費、立派なパンフの制作費などがすべて、家の値段に上乗せしてあるのだから、高価なのは当然かもしれない。

いろいろ見た中で、結論としては「最も小さな工務店」に決めることになった。
それは、たくさんの話をするなかで、社長の家づくりに対する姿勢、たとえば地元の素材への愛着や、いろいろな勉強会に積極的に出席していること、など、仕事に対する姿勢に好感を持ったこと、それに私たちの家へのコンセプトを誰よりも理解し、それを設計図に起こしてくれたことが決め手だった。

つまりこの工務店社長、私たちは建築家と呼びたいが、彼に個人的に惚れ込んだ、というのが一番近いのかもしれない。

ちなみに最初の接触以降、営業なんか一度もされたことはないし、向こうから「家を建てませんか!?」ではなく、むしろ私たちのほうが「建ててくれますか?」と聞いた感じでもある。


実際の設計中および新築中の工事中に感じたこと。
それは、小さい工務店ならではのフットワークの良さ。
たとえば、家に似合うキッチンが欲しい…という話をすれば、クルクルと走り回って、それを実現してくれる。
家の中のありとあらゆる要素が自由に作れ、人脈を駆使して小さな思いつきを形をしてくれる。
キッチン、リビング、テーブル、お風呂、仕事部屋までありとあらゆる所に工夫がいっぱいだ。

もちろん値段の安さも魅力。
すでにハウスメーカーで家を建てた人には、この家は3000万円くらいするの?と聞かれたけれど、実際は1700万円弱くらい。

隅から隅まで地元の木と自然素材をふんだんに使い、それでいて最近の家にあるような要素、たとえば全室LANやIHヒーター、集中照明コントロール、ホームシアターなどのハイテク系?設備も充実し、北海道での最高レベル、つまり日本で最も高い断熱気密性能をクリアし、さらに薪ストーブや緑化屋根なんていう趣味っぽい要素がある家にしては、現実的な金額に収まったと思う。
全体として、値段のわりにとても「いい感じ」の家が出来てとても満足だ。


小さい工務店というと倒産なども心配…という人もいるかもしれない。
たしかに工務店というのは会社の規模のわりに比較的大きなお金を動かす業種なので、危ないと言えば危ない業種だ。

工務店の財務的な話は不明だけど、基本的には「出来ているところ」までしかお金は払わないし、住宅の代金は一般的にやるように「銀行等から工務店に直接振込」にはせず、いちど自分の口座に振り込まれたものを小出しに工務店に支払っていくようにした。

アフターサービスについては、いまのところなにかあれば緊急度に応じてすぐやってくれるし、今のところ特に不満はない。


そして家が実際に建ってから家を建てる過程を振り返り、小さい工務店で良かった…と思えた一番の大きな理由、それは私たちが家造りに積極的に参加できたことだ。

たとえば、一緒に基礎セメントの左官工事をやったこと。
たとえば、一緒に最新の建築技術を紹介する業者向けのセミナーを聞きに行ったこと。
たとえば、家の材料となる「木」を見に一緒に林産家を訪ね、山に入ったこと。
たとえば、緑化屋根の話を聞きに、一緒に秋田まで何泊かの旅行をして建築家の話を聞いたこと。

一緒に勉強していい家をつくりましょう…という姿勢と、その要所要所に建て主として参加できたことが一番の収穫だった。


最初は業者対客…という感じだったのに、最後には完全に友人のようになってしまい、一緒に釣りに行ったり、食事に行ったりと、とにかく家を建てていく過程で、話をする「量」がものすごく多く、それが結果としてよかったような気がする。

まあ人と人の間には相性があるから、他の人にとっては「別に良くも悪くもない工務店だった」というかもしれないし、逆にダメ評価をする人もいるかもしれないけれど、自分たちは彼らと相性ピッタリでとてもいい仕事をしてもらえたと思う。


家づくりのパートナー選びって、結婚相手を見つけるのと同じようなところがあって、気が合って価値観も合う相手を見つけられれば、もう「いい家」が建ったのと同然かもしれない。

しかし、たとえばこの会社はまともなホームページもないし、広告も出さないし、事務所は住宅地の自宅で看板もないし、住宅公開もせいぜい年に2~3回しかやらないので、見つけること、出会うこと自体が難しい。
やはり「家を造ろう」と思い立ってから、業者を決めるまでは、それこそ年単位で情報収集をしたほうがいいような気がする。


そんなわけで、大きいハウスメーカーにはハウスメーカーの良さがあり、また小さい工務店には小さい工務店の良さがある。
どちらが良い…という話ではなく、相手のことを良く見て、自分の話もたくさんして、そして気の合うパートナーを選ぶことがとても重要だと思う。

それにはやはり、いっぱい家を見て、自分がどんな家が好きか、どんな暮らしをしたいか、どんなことにこだわりたいか、そんなことをぼんやりでもいいので、考えるのも大切かもしれない。

まぁそんなエラそうなことを書いても、私たちの場合だって「たぶんずっとふたり暮らし」と思ってて、それっぽいつくりの家を建てたのに子どもがヒョイと出来たり、なかなか「人生の予想」ってうまくいかない、というのも事実だけれど(笑)

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2005.02.15

天井なしの家

天井なしといっても、空が見える家…というわけではなく、天井の仕上げがない、つまり2階の床の裏側がそのまま見えている家。私たちの家はそんな家だ。

木の太い梁が見えていて、2階の床を支えている。

地元十勝で辛い雪に耐え、太陽の光を浴びて70年も生きてきたカラマツの木。
そんな木が、大工さんの技で新しい命を吹き込まれて、いまこうして家の一部となって文字通り私たちの生活を支えている。

そんな木の感触、暖かさ、そして力強さ。
こんな家の造りを、私たちはとても気に入っている。

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写真は1階のSOHO仕事部屋。広さは13畳ほど。
のぺっとした天井ではなく、凹凸があることで、天井に表情を与えている。

床はカラマツ無垢、柱などの構造材もカラマツ無垢(一部梁は集成材)、壁についてもこの部屋に関してはカラマツの合板だ。
天井仕上げは無し、つまり天井なしで、30ミリ厚の2階床である無垢板がそのまま見えている。

つまり、上から下まですべて近くの山から切り出したカラマツづくしの「木の仕事部屋」だ。

私たちの家造りでは、はじめから柱・梁などの構造は隠さない、できるだけ木の部分が見えるように作る…という基本方針だったので、通常の家の作り方のように、この上から石膏ボードを張り、そこに壁紙を貼る…という作り方は見積もりすらしなかった。

天井材が必要ないだけコストダウンになった…と思っていたけれど、大工さんによると、実はこの作り方のほうが手間がはるかにかかり、コストダウンどころか総額ではコストアップだそうだ。
すべて見えてしまう以上、美しく作る必要があるから大変だよぉ、ということらしい。

ちなみにこの造りでは2階を歩く音は、そのままダイレクトに下に響く。
2階で犬がトコトコ歩いて窓のほうに行った…とか、今度は座布団に寝そべった…なんてことが、手に取るようにわかるのがこの家。
この部屋で仕事をする妻は、台所で食事を作る夫の「ご飯を作る音」を聞くことができるし、逆も同じだ。

我が家の夫婦観・家族観では家族の「個室化」よりも、ゆるくつながる、みんなの気配が感じられる家を目指したので、これはこれで都合が良い。
もし家族構成や価値観の変化で、音が響くことがダメになった場合は、改めて天井を施工すれば良い…というのが私たちの考えだ。


私たち夫婦はいつも同じことをしていることが多い、つまり家の中でも同じ場所に居ることが多いし、それが心地よい…と感じる夫婦だ。
そして、木の家に住みたい。それも地元産の木を感じられる家に。
だから家もそんな価値観に合わせた造り。

たかが天井をどうするか…ということだけでも、そんな住む人個人に合わせた仕様というものがあることに気付く。

…だから家造りはおもしろい。

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2005.02.01

壁紙のない家

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四つ葉屋根の家は、いわゆる「壁紙」を使っているところが一カ所もない。

壁紙、いわゆるビニールクロスはまず「ビニール」という素材感がイマイチ。
また10年20年というスパンで考えると、どうも時間の経過とともに薄汚れていくイメージがある。

要するに「新築で建ったとき」が一番キレイで、だんだんと汚くなっていく素材。
クロスも高級品になると、塗り壁風に陰影のついたものなどがあるけれど、それならばはじめから「風」ではない塗り壁にすれば良いのでは?
塗り壁とは、左官屋さんがコテを使ってペタペタと塗っていく壁だ。

そんな話をしたとき、工務店からの提案は、Fウォールという塗り壁だった。

これは阿寒で取れたコケムシ類の化石を粉にしたもので、北海道産の素材ということで「地産地消」という家のテーマにも合致しているし、見せてもらったサンプルもとても感じがよいので、これを採用することに決定。

供給元によれば、優れた調湿性・多孔質による消臭効果など、多くの効果が期待できるという。

塗り壁の場合、クロスを貼る際に使う接着剤もいらないので、新築の臭いを軽減できる…と予想し、実際に建った家は新築臭はゼロ。雰囲気的にも、コテの動きがそのまま残って微妙な陰影がついた表面、ザラザラとした素材感、真っ白ではなくちょっとだけ色の付いた壁がとてもいい感じ。

これなら長い年月が経っても「ボロい」ではなく「味わいがある」という方向に経年変化していくような気がする。

タバコを吸う家だとヤニを吸ってしまって問題アリということらしいが、我が家は幸い誰もタバコを吸わない。(お客さんにも禁煙を要求しているので遊びに来る方はよろしくです(笑))

しかしこの塗り壁、ビニールクロスに比べるとかなり割高になってしまい、それほど採用が進まない様子。
我が家も1階の仕事部屋は、塗り壁ではなくカラマツ合板(木造打ちっ放し…という言い方をするみたい)だけれど、やはりここも塗り壁にすればよかったのがちょっと残念なところだ。

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2005.01.12

IHヒーター故障

ポン!という音とともにIHヒーター(電気コンロ)が加熱しなくなった。
エラーコードH14との表示。200Vコンセントを抜き差しして再起動してもダメ。あらら。


我が家ではIHヒーターを使い始めて1年半くらい。
ちまたでは評価はマチマチのようで、新築の家でも必ずしもIHになっている…というわけではなく、ガスだったり建て主の価値観によっていろいろのようだ。

そこでIHヒーターについて我が家の評価。

火力
意外なことにIHヒーターの火力はものすごく強い。
お湯があっという間に沸くので便利。
ホントにすぐ沸くので、電気ポットはお蔵入りになってしまった。


ガスのほうが味が…という意見を見るけれど、自分の感覚ではこんな感じ。
炒め物-ガスのほうがいい
煮物-同じ
揚げもの-IHのほうがいい(温度の時間ムラが少ないから?)
焼き物(グリル)-ガスのほうが微妙にいいかな?自動両面焼きなどの便利さはIHが断然上だけど。
炒め物は、フライパンをコンロから離すと自動OFF、近づけると自動ONになる仕組みがイマイチ。

お手入れ
もうこれは断トツでIH。なにしろ真っ平らなガラス板だけで上にはなにもないわけなので…。
天ぷらを揚げるときに、新聞紙でフタをしながら揚げものができるのは便利。

危険度
天ぷら火災についてはIHは自動温度制御とかいろいろあって一見安全そうだけど、扱いが不適切だとやはり火災になるようなので、そんなに変わらないかな。
着衣への着火についてはガスで危ない目にあったことがあるのでIHの勝ち。
電磁波については、今のところ現実的な脅威としては「???」だし、パソコン・携帯・テレビなどに囲まれて生きているのでなんとも言えない。

その他
天ぷらの自動温度調節が200度までじゃなく220度くらいまで設定できるともっといいかも。
IHにしたときに手持ちのアルミ鍋を全部捨てることになったのでその点はマイナス。
加熱にタイマーが使えるのは便利。3口なのも地味に便利。
作動時にファン音が結構やかましいのはマイナス。
コストについては最大消費電力4800Wということで電気代高そうだけど、ガスもプロパンでかなり高いので、なんともいえず。
導入コストについてはIHのほうが高かったはず。

…結論としては、ガスもIHも大きく見ればそんなには変わらず「掃除が簡単でいつもキレイ」という点のみがIHヒーターの大きな評価かな。
満足度としては「けっこうイイナ」くらい。


ところで冒頭の故障については、祝日夕方に工務店に電話したら翌日にはメーカーのサービスマンが来て修理していった。
内部のなんかのヒューズが飛んだらしい。
ほとんど壊れない機器なのにすいません…と言って、保証期間外だったけどタダで修理してくれて一件落着。

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2004.12.27

マイナス20度に建つ家

昨日朝の気温、マイナス20度。
冷凍庫のなかよりも冷たい外気温。

聞いただけで震えそうな気温だけれど、実はそこに住んでいる私たちは、特にそんな低温であることは意識せずにいつもと変わらない一日を送っている。

寝ている姿は半袖Tシャツ1枚だし、かけふとんも1枚だけ。

家のなかは全館暖房で常時24度程度に保たれているので、外が寒い…なんて外に出るまでわからないし、特に用事が無く昼近くまでゴロゴロしているような日曜日などは、新聞をとりに玄関を開けるまで気付きもしない。

廊下もトイレも風呂も全面床暖房でぽっかぽか。
恐るべし、高断熱高気密住宅。

とはいえ、なにもしないでこのような暖かい家が実現できるわけではなくて、床下に設置した石油ストーブが24時間ずっとつきっぱなしになっている。(電気を熱源とする暖房器具は1つも無い)

この家に引っ越す前は、新しい家はさぞかし灯油代がかかるだろう…と予想していた。

以前住んでいた築ウン十年の住宅では、あまりの寒さに2台のストーブが常に全開運転をしていて、今頃は月2万3千円程度の灯油代、それに加え4千円程度のガス代がかかっていた。(それでも快適とは言えない寒さだったけれど)

この家は新しいとはいえ、家の広さは2倍以上(130m2弱)だし、ストーブのほかに給湯も灯油ボイラー。
風呂(含追い炊き)、シャワー、洗面に加え、洗濯機もお湯を使うし、食洗機すら給湯で、それらのお湯はすべて灯油で加熱されている。ガスは配管もないし、ガス器具はひとつもない。

もちろん風呂のサイズもどーんと大きくなって、ストーブとあわせると恐ろしい量の灯油を使うのでは?…という予想。

しかし!
今月の灯油代は、9000円ちょいくらい。
月ごとに多少変化はあるけれど、厳冬期でもだいたい月1万円以下に収まっている。
なんと、以前の家よりもはるかに少ない灯油で過ごしていることになる。

たしかにストーブは付きっぱなしだけど、チョロチョロとしか燃えておらず灯油の消費量はかなり少ないらしい。こんな少ない灯油でこんなに快適な生活ができるなんて、ただただ驚愕するばかりだ。

北海道十勝は高断熱高気密住宅の先駆地と言われている。
ここ最近建った家はだいたいこんな感じだと思うけれど、ときどきに冬に本州に行くと家の中が寒いのなんの。
やはりこれからは全国的に高断熱高気密の時代だと思う。

みなさん、次に家を建てるときは高断熱高気密住宅にしましょう(笑)

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2004.12.16

木造住宅に緑化屋根 1.出会い

「四つ葉屋根の家」と呼んでいる我が家は、屋根を緑化している。
つまり屋根の上に土を載せ、そこに植物を植えている…ということだ。
屋根の上には一面の緑、それはクローバーの緑。
だから「四つ葉屋根」というわけである。

鉄骨やコンクリート造では見ることがあるし、首都圏ではビル屋上緑化などが増えつつあるようだけれど、木造の個人住宅ではほとんど見たことがない。
四つ葉屋根の家は新築時に新聞記事にもなったし、雑誌の取材も受けたし、見学バスツアーもやってきた…ということで、かなり珍しいものなんじゃないかと思う。

当時、緑化屋根に関する情報はほとんどなく、ネットを見てもほんの少しの施工例が載っている程度で、情報の不足をとても感じたものだ。
でも実際に施工してみると、なにも問題はないし、雰囲気的にはとてもいい感じで、個人的にはとても気に入っている。
だからもっとみんなに緑化屋根を広めたいし、そのために情報発信をしていきたい。

そこで何回かにわけてこの緑化屋根について書いていきたいと思う。

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緑化屋根との出会い

私たちが緑化屋根の家を初めて知ることになったのは、平成14年に地元帯広で行われた秋田の建築家・西方里見氏の講演会。
当時自宅の新築を考えていた私たちは、偶然新聞で告知されていたセミナーを知ることになり、軽い気持ちで講演会に参加した。

講演会は主として建築業界向けの内容だったが、西方氏の設計したエコロジー住宅や自然との共生を目指した住宅のほか、西方氏自身のアトリエである緑化屋根の建物が紹介され、それはひときわ目を引くものであった。

屋根一面が草に覆われ、そこには四季折々の花々が咲き乱れる…。
春、夏、秋、冬と季節毎に違った表情を見せる屋根。

建築費も、普通の屋根と特に変わらずむしろ安いくらい。

築11年経っても特に問題はないこと、断熱効果の上でも屋根面に草を生やすのは効果があることなどを聞くにつれ、興味は深まるばかり。

家に帰り、さっそくインターネットで検索してみると、まだまだ小数ではあるものの、緑化屋根を取り入れた工場や事務所などの例が出てきて、なかなか魅力的。
ネットで見つかった書籍を何冊か読むにつれ、興味は深まるばかり。
なんといっても、頭の上に毛の生えたような緑の屋根が持つ雰囲気がとても素敵だ。

しかしこの時点では「いいなー」とは思うものの、まだ自分の家が緑化屋根になることなど、現実的な案とは思っていなかったように思う。

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2004.11.19

ステンドグラス

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四つ葉屋根の家にはステンドグラスが飾りにはめられている。
コレ、目立たない存在だけど、実はれっきとした本物のステンドグラス。
大きさは50cm×70cmくらい。

建築家佐藤さんから「家にステンドグラス付けませんか?」と提案を受け、それならば…と設置した。
両側をペアガラスで挟み込んであり、高気密高断熱の性能を保ちつつステンドグラスの風合いを楽しむことができる。

設置場所は玄関のわき。
特になにかの役に立つモノではないけれど、昼間はやわらかい色の光が差し込んで、なんとなく華やかさがあってけっこう気に入っている。
逆に夜は家の中のあかりで外側に絵が浮かび上がって、それはそれでとてもいい感じ。

デザインはデザインが本職の妻が下絵を描き、それをステンドグラスのアマチュア作家の方が形にしたものだ。
絵柄案はフクロウの絵、ナナカマドの絵、そしてこのあたりの地域の風景を表した絵の3つを作り、そのなかからこのあたりの風景をモチーフにしたものを採用した。

だけどちょっと気になることがひとつだけ。

向かって左上の太陽、これが赤色なのがちょっとイマイチ。
もちろん元デザインは赤ではなく、ステンドグラス作家と工務店氏がふたりで相談して「太陽なんだから赤だよね」と赤にしたらしい。…おいおい。下絵を描いたのは施主とはいえ、プロのデザイナーなんだから、断りなく勝手に変えるのはダメでしょう。

それ以外はとても満足のステンドグラスだ。

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2004.11.16

住宅の見積もりの話 坪単価型と明細型

自宅新築にあたって、私たちは2社に本見積もりを依頼した。
住宅の価格を示す見積もりには2種類あって、私たちの場合は1社が「坪単価型」もう1社が「明細型」だった。

「坪単価型」は標準仕様が決まっていて、単に施工面積に坪単価をかけたものが本体価格、そこにアレンジやオプションを追加していく形の見積もりだ。
見積もりは非常にわかりやすく、広さと価格がだいたい比例する…というのが特徴。
ただし「標準仕様」の範囲が会社によってマチマチなので、見かけ上の坪単価の大小だけで比較できない。
見積書は比較的ページが少ない。

「明細型」は木材の材料ならなんという木が何本(何立方メートル)でいくら、大工手間はいくら、釘はいくら、足場はいくら…という感じの細かい見積もりを総合計して出す形の見積もり。

工務店経費という項目もあって、彼らの主張ではそれが工務店の利益だという。(実際には他項目にも利益を乗せるのが普通なので、工務店経費=利益総額というわけではないらしい)ページ数はとても多く、数十ページに渡るものになる。

どちらが良い…というわけではないが、感覚的には「坪単価型」のほうが比較的やり方としては新しいような気がする。たしかに「坪単価型」は直感的に理解しやすく、広さで値段が決まる…というのも合理的だ。


ただ個人的には「明細型」のほうが、個々の材料がよくわかり、なにをどう差し替えるとどう価格に反映するかわかりやすいので良いと感じた。

「坪単価型」の工務店に言わせると、『テレビを買う際に部品のひとつひとつをチェックする人間がいるだろうか?「明細型」は消費者が見てもわからない項目を書いてわかりにくくしている』…という主張であるが、それは消費者をちょっとバカにしているような気がするがいかがだろうか。
そもそも耐久消費財のテレビと家を同列に扱うことに無理があるような…?

むしろ「坪単価型」の見積もりは、単に見積もり自体の手間を下げるための工務店側の都合のような気もしないでもない。
そもそも坪単価型といっても、住むために絶対に必要な項目までもオプションになっていたり(特に気になったのは屋外給排水工事が別途であること。しかも水道工事店に直接工事してもらうよりも何故か相当に割高だったり)するので、坪単価で他工務店と比較することはできないし、坪20数万円って言って「うわっ安い!」とも言えないのが普通だと思う。

じゃあ「明細型」だったら良いのか…というとそれはそれでやっぱり見ても判らない項目はいっぱいあるし、やはり結局は総額欄を見る、ということになってしまうのも事実。

結局家の値段というのはわかりにくいものですね…という結論になってしまうが、やはり消費者としてはそう言わざるを得ない。

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2004.11.02

ローコストと家の予算

今回の家造りにあたって考えたのがローコストである…ということ。

私たちが欲しいものは「家」であり、そこでの生活を考えるとやはり家は安価なほうが良い。

そうなるとよく名前を見かけるようなハウスメーカーの家や住宅展示場に展示しているようなメーカーの家は、費用対効果という面では疑問を持たずにはいられなく(つまり内容のわりに価格が高い。広告宣伝費・展示場維持管理費・営業人件費などを経営的に分析すればわかるはず)選択肢からはまず外さなければならまい。

ただし安ければ安い方が良い…というものではない。

お金をかけるべきところにはお金をかけ、費用のわりに価値が高い、全体のバランスとしてローコストな家。

あたりまえであるが、家のために生きている(働いている)わけではないのだから、できるだけ月々の負担は少ない方がよい。


家の予算を、私たちはこのように計算した。

まずは、月々の極めて安全な返済額を求める。
現在の収入をベースに、失業した際やボーナスが無くなったときにも安全な返済額、自分の住む地域における自分のスキルで通常得られるであろう給与水準。

基本的には夫婦のどちらが無収入になり、かつ収入のあるほうの収入水準が今の半分になっても充分返済可能な額がベース。ボーナス返済は利用しない。

返済期間は一応安全な線で35年とするものの、実際の目標を10~15年程度での返済としよう。
ローンは全期間固定金利のものを利用したい。
するとローンの総利用額が求められる。

そこに自己資金を頭金として足し、それが家づくり総予算。

総予算から土地や外構、家具、税金、その他ありとあらゆる費用を引いたものが家の想定予算だ。
家づくりに入る前の私たちの計算では、家本体の想定予算は1500万円となった。

この予算通りであれば、月々のローン返済額は、ワンルームマンションを借りるよりもはるかに安い額。
新婚のときに借りた、小さな小さな木造アパートの家賃のおよそ半額だ。
いくらなんでもこれなら払えるだろう。


多くのメーカーや工務店の話を聞いてまわるなかで、「いくら借りられるか(収入から求めた借入限度額)」から話がスタートするハウスメーカーの営業の方に会うが、私たちに言わせれば言語道断であり、そんな計算方法を持ち出す業者とは、その場で話は終了である。

家は充実した人生を送るため、また楽しい生活をするための手段でしかなく、目的ではない。

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2004.10.29

季節感のない家

昨日、家の外にある水道管を破裂させてしまった。

この水道管は庭や緑化屋根に水を遣るために配管してあるのだが、冬になる前に管の中の水抜きをしないと、管のなかの水が凍ってしまい水道管が破裂してしまうことになる。

そんなことはすっかり忘れていている間にも冬は着実に近づき、冷え込んで氷点下になった昨日の朝、とうとう破裂…となってしまった。


水抜きを忘れてしまったことには理由がある。

移住時に住んだ家賃2千円の古い家は、すきま風が吹き込む、実に季節感溢れる家だった。
この時期は、日々寒くなっていくのがダイレクトに体感でき、今日は暖かい、今日は寒い…と実感しながら生きていた。

氷のように冷たい床。心臓が止まりそうなほど寒い浴室やトイレ。
寒い日は家の中で凍え、布団にくるまって寒さをしのぐ。

夜中に凍ってしまい、うまく炊けない朝のご飯。
真冬には家の中に雪が吹き込み、床に置いた犬の水が凍り付く。
今夜のこの寒さだったら、明日は冷え込むだろうから水抜きをしておこう…そんなことを思う日々。


それがこの四つ葉屋根の家はどうだろう。
魔法瓶のようなこの家は、外が5度だろうが、-5度だろうが、はたまた-20度だろうが、家の中にはほとんど無関係。
外の音もほとんど聞こえないので、カーテンを閉めてしまえば、雨が降っているんだか、寒いんだか暑いんだか全然わからない。

家の中は常時24度程度に保たれ、メインの床下暖房の操作も給油もぜんぶ自動。
家の中で長袖なんて着たことすらないし、全面床暖房でスリッパも靴下もいらない。

水抜きなんて必要ないし、そもそも水抜き栓なんてこの家にははじめから無いのだ。

最新の高気密高断熱の家の威力は絶大で、それはそれは快適そのものだ。


でも、本音ではちょっとだけ前の家が懐かしい。

朝、となりの家族が雪かきをしている音。
2月、寒くて寒くて寝られない夜が続き、ある日ほんのちょっとだけ暖かいことを感じた朝。
ポタポタとつららの溶ける音。
2枚重ねてはいた靴下を1枚にする日。
電気毛布の温度設定を少し下げられる夜。

春の訪れを感じる瞬間、なんだかわからないけれど、魂を揺すられるほどの感動がある。
春を感じて感極まり、とうとう涙した家族。
それは長く寒くつらい冬を乗り越えた者だけに与えられた感情だ。


季節を全身で体感できる家と、季節感のない家。
500mくらいしか離れていないけれど、とても同じ地域に建っているとは思えないほど違う2件の家。

前の家に戻りたいとは思わないけれど、でも、あの家はあれはあれで良かったな。
そんなことを思う今日この頃だ。

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2004.10.27

初雪と雪見照明

2004年10月26日。
とうとう私たちの住む土地にも雪が降ってきた。

今日の雪はハラハラと舞う雪。
先日も少し白いモノが舞っていたけれど、個人的に今日を初雪の日とすることにしよう。

今日の雪は地面に落ちてすぐ溶けてしまう、そんな雪だった。


雪のふるさまはどうして心にぐっと来るのだろう。

雨も似たようなふりかたをするけれど、でも雪の降る様子は見ていて飽きないし、心惹かれるものだと思う。


四つ葉屋根の家では、1階と2階の両方に大きめのウッドデッキがあるが、それぞれ明るめのライトを設置した。
実は照明は雪を見るためにあるもの。


静かに雪の降る夜、部屋の照明を落としてカーテンをあけ、ライトの光を空に向けて投げると、まるでなにかの舞台のように、照明に照らされた雪がしんしんと降り積もる様子を見ることが出来る。

それはまるで夢のような景色。


この話を他人にするとほとんど変人扱いされてしまうのが難点だが、でも誰が何と言おうと、私たちはこんな雪の降る様子が大好きだ。

こんな夜ももうすぐだ。
今年も雪を楽しみ、冬を過ごしていきたい。

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2004.10.25

テレビのないリビング

我が家は「テレビを見ない家」だ。
別にテレビに恨みがあるわけではないし、思想的に「テレビを見るのはダメ」とかそういうものがあるわけでもない。昔は普通にテレビを見る人間だったと思う。

ただ、結婚し、さらに北海道に移住してから、いろいろなところに出かけたり、犬と遊んだり、本や新聞を読んだりウェブを見たり、夫婦での会話の時間などが増え、相対的にテレビの視聴時間が少なくなり、最終的にはほどんどゼロになってしまった。

見なければ見ないで特に問題はなく(先日の新潟地震のときなどに、翌日の新聞を見るかブラウザをニュースを開くまで知ることがない…という問題はあるけど)、かえってテレビという存在がない空間のほうが静かで心地よい空間に思えるようになった。
そこで我が家ではリビングにはテレビをあえて置かないことにした。というより、家を新築する前3年ほどリビングにはテレビがない…。

ただ、レンタルビデオ屋でビデオ(今はDVD)を借りて映画を見るのは好きだ。

そこで新築ついでに「ホームシアター」を設置してみることにした。といっても、別にAVが趣味なわけじゃないし、機械にこだわりがあるわけでもなく、まぁちょっと大画面で映画が見られたらいいな…という程度の意識。

設置場所はリビング。液晶プロジェクターと収納可能なスクリーンで、画面サイズは120インチくらい。

これについてはまた別項で詳しく書こう。

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2004.10.21

あぐらで食事する人 + いすで食事する人

四つ葉屋根の家のLDKには3畳ちょっとの畳コーナーがある。

この家には独立した和室はないが、やっぱり日本人だからゴロンとできる場所が欲しいし、畳の感触もまたいいものだ。


さて、この家には現在2名の人間が住んでいる。

ひとりは、床にあぐらをかいてご飯を食べたい人。
もうひとりはイスに座ってご飯を食べたい人だ。

ふたりは夫婦だから、もちろんご飯を一緒に食べたい。
あぐらの人とイスの人が一緒のテーブルでご飯を食べるのはどうしたら良いか?

FH010012.jpeg
その答えがこの写真の奥の方に写っているテーブルだ。

これは私たちが案を出し、それをもとに建築家が設計して実現したもの。

ゆっくりじっくり家造りに取り組んで、自分たちの好みを追求していくと、こんなことまでできてしまうのが注文住宅のおもしろいところだ。


もちろん畳コーナーの高さは、あぐら希望者(私です)の座高の高さから使いやすい高さをシミュレーションして計算したものだし、テーブルの高さも同様。言うまでもなくすべてオーダーメード。

特にテーブルは「カラマツの家」なので、どうしてもカラマツの天板にしたい…という希望が建て主の私たちにも建築家にもあって、材木屋さんのずっと奥に何年も眠っていた木材(もちろん無垢材)を探して譲ってもらっい、加工業者に依頼して作ったものだ。

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↑倉庫の奥から出してきたカラマツの板を前に。材木屋の瀬上さんと建築家佐藤さん。

このテーブル、私たちが最初に見たときは単なるカラマツの板(推定樹齢70年くらい)だった。
この4m×60cmくらいのものを2mずつに切り、それを左右で貼り合わせて作ったのが天板。
長さ2m弱、幅1m弱、厚さも10cm近い堂々とした天板は、重量感もあって私たちはとても気に入っている。

使い道がなくてずっと眠っていた木材に命を吹き込み、今こうして家具となって役立っているというのもいい。完成記念パーティでは、材木屋の瀬上さんがこのテーブルを見てとても喜んでくれたのが印象的だった。

また足の長さが左右で異なり、普段はこのように畳コーナーをまたいで設置しているが、長い方の足が交換可能になっていて、普通の座卓にもなるところも気が利いている。


畳コーナーの下は3連の巨大引き出し収納になっていて、これも町内の建具屋さんにオーダーして作ってもらったものだが、幅約90cm、深さが約30cm、奥行きがなんと180cmもあるもの。
ここにはたまにしか使わないカセットコンロやホットプレート、土鍋、あまり使わない食器、それに仕込み中の味噌などが入っていて、とても重宝している。

これも設計図を見ていてふと思いついて発言した「この下を収納にしたらどうだろう?」というのが実現したものだ。


ちなみにこのテーブルの制作費用は、材木代と加工費合計で10万円もしないし、畳コーナー下の巨大引き出しも3つで10万円程度と、こだわった割にはとても安価にできたと思う。

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2004.10.19

お風呂にとことんこだわる

bath.jpeg

私たち夫婦はお風呂に入るのが好きだ。

身体さえ洗えれば風呂なんてどうでもいい…という考え方があるのはわかるけれど、私たちにとっては風呂タイムは一日のなかで楽しみな時間だし、一番リラックスできる時間だ。

だから風呂にもこだわりたい…と考えた。


できれば木の内装。そして足を伸ばして入れる大きな浴槽。

風呂に入りながら庭の緑や遠くの日高山脈の景色が見たいし、空も見たい。
従って、風呂の位置は家の中でいちばん良い位置、つまり南側で決まりだ。

当然、浴槽からでも外が見えるほど大きな窓が付いている必要があるだろう。
そして誰がなんと言おうと、風呂のガラスは透明。

風呂の機能にはあまりこだわらないが、温度調節シャワーと追い炊きくらいはできたほうが良いだろうか。
もちろん浴室テレビなどは必要ない。


さて、風呂の作り方だが、ユニットバス、つまり浴槽から洗い場、天井まで一体のユニットになっている形のものを設置するのが一般的な現代住宅だ。

その一方、在来工法とでもいうか、左官屋さんや大工さんが床や天井などをそれぞれ作るものもある。


私たちの家は「木の家」なので、できれば浴室内装も木張りにしたい。
でもやはり水を使うところなので、メンテナンスを考えると、やっぱりユニットバスも捨てがたい。第一コストが全然違う…。

そこで建築家佐藤さんからの提案。
それはハーフユニットとでも呼ぶべき、半分ユニットバスになっている風呂だ。

INAXのカタログで見つけたそれは、人工大理石の浴槽と洗い場床、床から40cmほどまでがユニットになっている「下だけ」のユニットバス。ユニットとはいえ、ヒノキのすのこが床になっていて、四つ葉屋根の家の雰囲気にもぴったり。
1.25坪タイプなので、まあ広いほうだと思う。

壁と天井は、秋田の建築家西方さんの親戚?から譲り受けた青森ヒバ。
なんだかとっても良いところを送ってくれたらしく、節ゼロの素晴らしい木材だ。
このヒバ材、建築中からとても良い香りを発している。


そしてこれは自分の思いつきなのだが、風呂の照明スイッチを調光式スイッチにしてもらった。
夜に入浴するときは、気分によって明るくしたり、またほとんど真っ暗になるほど暗くしたりする計画。

また別項で書く予定だが、四つ葉屋根の家は「夜の暗がりを楽しむ」というテーマもあるので、その一環でもある。


そんなこんなで完成した風呂は、はっきりいって素晴らしいの一言。
ほのかに香るヒバの香り、やさしい雰囲気の桃色の人工大理石の浴槽。暖かい白熱球の照明。
もちろんイスや洗面器も木製のものを買ってきた。

大工さんも「こんな風呂初めて作った」と言ったけれど、建て主の私たちとしても、特にお気に入りの空間になった。

星がきれいな日は、照明を落として窓に目をやると、ちょうど遠くのカラマツ林が夜の空に浮かび上がり、広がる空には満天の星空と天の川を見ることが出来る。

月明かりのきれいな夜は窓から差し込む月あかりの下で身体を洗うのも風情がある。

冬にしんしんと降り積もる雪を見ながら風呂に入るのも、晴れた日に流れる雲を見ながら風呂に入るのもまた格別。
ぬるめの風呂に入りつつ、外を見ながらうとうとするのも幸せな時間だ。


浴室の照明を調光式にする…というアイディアは我ながら素晴らしいと思っている。
なぜ浴室照明の基本仕様ではないのか不思議なほどだ。

これから家を建てる人には、ぜひぜひお勧めしたい。
照明スイッチを調光スイッチに変えるだけだから、追加コストも数千円ではないだろうか。

ぼんやり暗いお風呂で、ぬるいお湯にゆっくりゆったり風呂タイム。
今日もお風呂に入るのが楽しみだ。

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2004.10.14

四つ葉屋根の家のキッチン

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いま、住宅を新築するとたいていはシステムキッチンが付いてくる。

システムキッチンとは本来、流し台やコンロなどの各パーツを規格化し、異なるメーカー間でも一緒に使えたりするシステム化されたものを指すのが本来の意味だったようだが、いまではコンロや流し台などが一体化され、引き出しや収納棚など、デザインが統一された台所設備をまとめて「システムキッチン」と呼ぶようだ。

システムキッチン、たしかにキレイだし、使いやすそうに見える。
高額なものになると、食器洗い器が内臓されていたり、引き出しの動きに工夫があったりと、なかなか多機能。
しかしシステムキッチンというのはなかなか高価なもので、安いものでも30万円、欲しそうなものなら50~80万円、高いものだと100万円以上するのはザラだ。

私たちも当初は各社のカタログを見たり、ショールームをまわったりして、あーでもないこーでもない、とやっていた。施主支給という方法があることなども知っていた。


一方、四つ葉屋根の家は地元のカラマツにこだわり、細部に至るまでカラマツづくしの家で、壁は塗り壁+腰板、真壁造りの現代和風の雰囲気。

各社のカタログを見ても、どうもそうした雰囲気にあったキッチンは見あたらず、どれも洋風な「今ふう」のものばかり。もちろんカラマツのキッチンなんてあるわけない。


そんなことを建築家佐藤さんと話していたところ、意外な提案を手にした。

...キッチンも家の雰囲気に合わせてゼロから作っちゃいましょうか?


結局その提案を2つ返事で受け入れることになる。

キッチンの天板(ステンレス製)は佐藤さんがサンウェーブと交渉して購入。

それを建具屋さんに持ち込んだ。
その他の素材はもちろん地元産カラマツ(集成材)。
ただし、建具屋さんではそれを用意できないので、佐藤さん自らが探してきたものを持ち込んだ。


食器洗い器は、すでに何年も使っていたサンヨーの縦型のものがあったので、これを内蔵できるように設計。
システムキッチンに内蔵可能な食器洗い器は非常に割高であるが、これは家電店で5万円程度で買った安い汎用品。
キッチンに合わせて食器洗い器を買うのではなく、既存の食器洗い器に合わせてキッチンを作る…という発想が楽しい。

IHヒーターの下は鍋などを置く棚だが、ここは板金屋さんに図面を渡して作ってもらった。
実際の据え付けは大工さんと設備屋さん、それに水道屋さんが担当だ。


このキッチンは兼業主夫である自分が主に使い、ときに妻とふたりで料理を作る…という前提で設計。
もちろん、すべての寸法は自分の身体に合わせて設計し、隅から隅まで専用仕様のサイズだ。
ちょっと大柄なふたりが料理中にすれ違える広さも計算済。


使う人やライフスタイルに合わせて、家のほうがサイズを合わせた家。
当然、非常に使い勝手が良い。これぞ注文住宅の神髄だと思う。

ちなみにこのキッチンにかかったコストは、サンウェーブから購入したステン天板、設備屋さんから購入したIHヒーター、換気扇フード一式、材木屋さんに支払った木材代、それに建具屋さんの加工費を合わせても、一般的なシステムキッチンよりもまだ安い。

各者の打合せや仕様検討等で手間がかかったけれど、そのぶん値段が安く上がり、しかも「自分だけのもの」と愛着を持って使えるものができたと思う。


他にも家具工房のようなところや、家具メーカーでもオーダーキッチンの制作を行っているところが結構ある。
しかもシステムキッチンに比べてべらぼうに高価…というわけではない。


新築の家にはシステムキッチン?
それはそれでいいけれど、その他にもいろいろな方法がある…ということも考えてみてはいかが?

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2004.10.12

間取りと夫婦関係

「四つ葉屋根の家」は、SOHO仕事場兼用住宅だ。

当初から×LDKというような一般的な間取りにするつもりはなく、自分のたちの生き方にあった間取りにしたい…と考えて設計が始まった。


家の間取りの話の前に、私たち夫婦の夫婦関係について触れなければならまい。

私たち夫婦は知り合って10年、結婚して7年めになるが、昔から「ほとんどの時間を一緒に過ごす夫婦」だ。

普段家のなかにいるときもたいていは同じ部屋で同じこと、あるいは似たようなことをしていることが多い。

毎日寝る時間も一緒だし、食事ももちろん一緒、風呂も一緒の時間に入る。
休みの日などはご飯の仕度でもふたりで台所に立つことも多い。

休日の外出の際などにもふたり別々に出かけることはまずない。
結婚してから、それぞれの実家にどちらかがひとりで行ったことは一度もない。

どちらか片方の用事の際にも、ふたりで行くのが私たちのやり方だし、私たちを現実社会で知る人たちは、いつも夫婦ふたりで現れるので納得してもらえることだと思う。

いつか夫婦関係についての記事を書くことがあれば取り上げたいと思っているが、善し悪しはともかく、とにかく私たちはそういう夫婦だったりする。


つまり私たち夫婦は家のどこに居ても、お互いにお互いの気配を感じられるようになっているほうが良いし、それが私たちにとって心地よい家の重要な条件だ。


夫婦間のコミュニケーションを重視した間取りとは

・部屋はなるべく少なく
・扉の数もできるだけ少なく
・各部屋の独立性は低く

ということになる…と私たちは考えた。


たとえば書斎などという名前の部屋は不要だし、食事の仕度をするときのコミュニケーションを考えると、食堂と居間が別になっている必要はなく、食堂兼居間兼台所のような空間があればそれで良いと思う。

妻の職場であるSOHO部屋についても、居住エリアと明確に区別するべき…という考え方もあるが、私たちの場合はゆるやかに居住エリアに接している、あるいはゆるやかに居住エリアと一緒になっている…という程度が望ましい。

ただし夫婦の寝室だけは扉で仕切れる空間としたい。


子ども部屋については、子どもが部屋を必要とする期間を、最長で6歳から18歳までの12年間と定義した。
乳児・幼児の頃は専用部屋が必要だとは思えないし、大学は最低でも札幌、できれば北海道を出て首都圏、あるいは海外の学校に行くことを私たちは望んでいる。

従って子ども部屋が必要な期間は子どもひとりあたり12年間程度であろう。
すると独立した子ども部屋が必要かどうかは懐疑的であり、汎用的に使える空間さえ用意しておけば、その時が来たときに考えれば良いと思う。

人数や男女構成によってはSOHO部屋を転用したり、LDKをリフォームしたり、あるいは庭に増築したりすれば良いと思う。そもそも私たちにはまだ子どもがいないのだから。


実は自分たちの家なんだから、自分たち自身で間取りを考えた方がいいはず…と間取りソフト(3Dマイホームデザイナー)を購入し、プランもたくさん練った。
おそらく50案くらいはあったと思う。

夜な夜なA3用紙に自分たちの間取り図を印刷して床に並べ、夫婦で議論を交わした。

……が、どうもピンとこない。
方眼紙に各部屋を並べただけで、問題はないのだろうが、部屋と部屋の関係がイマイチだ。
各部屋の独立性を低く、という項目が特に難しい。
土地の持つ属性(方角・景色・道路)との兼ね合いもピンとこない。

そこで結局はプロの意見を聞こう…ということになり、上記の夫婦関係・家族関係に関する私たちの価値観と、以下の要望を建築家に提出した。

・階数は問わない
・広さも特に指定しない
・必要な部屋は SOHO部屋/広めLDK/夫婦寝室/汎用空間(客間または子ども部屋)
・十勝の季節の移ろいを楽しめる家

詳しくは別項で書きたいが、当然土地条件(112坪・北道路等)と予算についての要望も併せて伝えた。


結果として建築家から提案された間取りは、1階に仕事部屋と夫婦の寝室、客間あるいは子ども部屋として汎用的に使える17畳の3階ロフト、そして2階に最大天井高4mもの吹き抜けを持つ28畳ワンルームの大空間LDKの家だった。

家全体がほとんどワンルームのような造りで、きちんと扉が閉まって個室になるのは夫婦寝室のみ。
扉はトイレ2カ所と風呂、それに夫婦の寝室にしかない。
いわゆる「廊下」という空間はない。

各部屋は上下も含めてコミュニケーションがとりやすく工夫されており、1階のSOHO部屋で仕事をする妻と2階で食事の仕度をする兼業主夫が直接話せるようになっている。3階にいても1階の妻と普通に会話できるだろう。

正直、こんな変わった間取りの家は見たことがない。
しかし決して大きいとはいえない正方形のなかに、私たちの望む仕様・考え方がすべて満たされており、無駄なくうまく収まっている。

私たちはやはりプロの仕事は違う…と感激し、いくつかの修正だけで、結局この案を正式な設計として採用することにし、実物もその通りに建ったのだった。

私たちのためだけに設計され、検討が重ねられた家の住みやすさは抜群だし、自分たちの生き方にあった家になっていると実際に住んでみても実感することができる。

もちろんそういう家を建てて住んでいることに対する大きな満足感もある。


家族の個と個の関係。自分と家族の時間の過ごし方。
家族のありかたと、生き方・暮らし方、自分たちの価値観をよく話し合い、考えてみよう。
そしてそれをしっかり設計者に伝えよう。

そうすると、そろそろ×LDKにとらわれない、その家族ならではの家づくりができるような気がする。

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2004.10.08

暖かい家

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北海道のなかでも特に厳寒の地であるこの土地は、冬は氷点下25度にもなる。

以前2000円で借りていた家はとても寒く、家の中に氷柱ができ、風呂のお湯を落とし忘れると、翌朝には浴槽全体が凍ってしまう…という恐るべき寒さだ。


当然、新築の家には十分な断熱性能と高い気密性が要求される。
もちろん24時間全館暖房が基本。


ここ十勝は住宅の断熱や気密に関しては先駆地だ。
地元の工務店は自主的に勉強会を開き、海外の規格を取り入れた北国ならではの高い性能の住宅作りに取り組んでいる。


たまに正月の帰省などで首都圏を訪れることがあるが、はっきりいって首都圏の家は寒い。

「四つ葉屋根の家」ではぽかぽかの床を裸足で歩き、風呂もトイレも温度差はなく、家の中はTシャツ+パンツなんて格好で十分。冬でもふとんは夏と同じだし、長袖のパジャマを着る必要もない。


しかしここ5年くらいの間に家を建てた関東の知人の家を訪ねると、家の中でフリースを着てこたつに入っていたりして、非常に驚かされる。
床のあまりの冷たさ、廊下やトイレや風呂の寒さは北海道人もびっくりだ。

びっくりなだけなら良いが、たいていは風邪をひいてしまう。


さて、そんな十勝の家の断熱方式は100ミリ程度の充填断熱+付加断熱として外側にさらに断熱するのが一般的。

某外断熱の本なども読んだが、ここ十勝の断熱方式としてはやや役不足な印象だ。

充填断熱では断熱材が腐るカビる…という話もちらほら聞かれるが、それは断熱材の室内側の気密シートの施工が不十分な場合に起こるのであり、気密の重要性が早くから言われてきて実践されてきた十勝ではあまりそういう話は聞かない。グラスウールが危ないなんて話はここでは笑い話だ。


床下断熱か基礎断熱かについては、性能的には基礎断熱>床下断熱、ただしコストは床下断熱のほうが安い…ということらしい。
「四つ葉屋根の家」は工務店のアドバイスで基礎断熱となった。寒冷地ゆえの仕様として、スカート断熱も併用となる。


暖房はどうだろうか。

十勝の最近の家の主な暖房方式はセントラルヒーティングが多く、これは灯油ボイラーで温めた温水を使ってパネルを暖め、その熱で暖かくなる…という方式だ。

またコストが安いFFストーブ方式もそんなに悪い方法ではない。

基礎コンクリートの中に温水を通して基礎そのものを暖める…という工務店もあり、これもなかなか良い。


そんなこんなで自宅の暖房方式を決めかねている頃、秋田の建築家西方氏を訪問する機会に恵まれた。

最近の西方氏の建てる家は、基礎断熱の家の床下基礎部分にFFファンヒーターを設置して床下を暖め、それで1階床を暖め、家全体を暖める…というやりかただった。
韓国などで伝統的に使われているという「オンドル」と仕組み的には同じものだと思う。

実際に訪れたのは冬だったが、どの家もたしかに床がぽかぽかと暖かく、家の中も輻射熱で非常に暖かく快適である。
施工コストはFFファンヒーターのみなので、セントラルヒーティングに比べて格段に安い。

そこで我が家の設計施工を担当する佐藤さんと「この方式で行こう」と意見は一致し、基礎内-1階、1階-2階の熱環境を考慮した設計したうえで採用することになった。

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2004.10.03

近くの山の木で家を建てたい カラマツの家

地元の木で家を建てる…もともと日本人はその土地固有の木で家を建ててきたそうだ。

ここ十勝は少し郊外に出ると山がいっぱいある。もちろん林業も盛んである。

image004.jpg

しかし現在、林業は深刻な状況だという。
その原因が、木を切って売ってもたいしたお金にならないことと、輸入材の台頭だ。

これまで見てきた住宅もドイツ等から輸入した集成材の利用が多い。

木材の産地に住んでいるのに、なぜ遠くヨーロッパから木を運ぶのだろう?


そんななか「木の家に住むことを勉強する本」という本を見つけて読んだ。

木材のこと、木造住宅の仕組み、林産地のレポートまで多岐に渡り、非常に興味深い内容だった。

代々森を守り、林を守って生きてきた人たちが日本にはたくさんいること。国産の木材を使う人が減って、国内の林業が厳しい状況にあること。世界の木材の多くを日本が輸入していること。家の価格に占める木材の割合はとても低く、国産材を利用しても家全体のコストへの影響は軽微であること。


さて、十勝には防風林をはじめとする独特の景観があって、この景観の主役となっているは「カラマツ」である。
カラマツは日本で唯一紅葉する針葉樹で、秋の紅葉は何物にも代え難い美しさがある。

カラマツは戦後、将来の木材として注目された時期があって、積極的な植林が行われ、それらの木が伐採適齢期を迎えている。この戦後の政策が正しかったかどうか…という話はともかく、現在の十勝はカラマツの木でいっぱいである。

現在のカラマツの用途はおもにチップや荷物運搬用パレットの原料になる程度であり、あまりいい評価を得ていないのが事実。
木としての性質は成長が早く、節やねじれやヤニが多くて住宅には一般に不向きである…とされており、住宅への利用はあまり進んでいない。

しかしここ数年、このカラマツを住宅に使おう…という動きがあって、十勝の先駆的な工務店が取り組んでいることを耳にした。


さっそくカラマツを使って家を建てている業者の話を聞いた。

彼らの話によれば、カラマツも人口乾燥をかけ、適切な処置をすることでねじれは克服できるという。

色が赤く好みが分かれるところではあるが、節の多さと合わせてこの木が持つ「味」であり、それはその木の個性であって、自分たちはいいと思う。

気になる価格は、なんと輸入材と同じかやや安いくらいだ。

そう聞けば、こんな地元のカラマツを使わない手はない。

そんなわけで、私たちの家造りは当初から「カラマツの家」に限定され、進められることになった。

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木のぬくもりを感じられる家

「木」が好きだ。住むなら木の家。それもできれば集成材ではなく無垢の木の家。
家の中に多く木が使われていて、それを見ることが出来る家。

木の家が落ち着くのはなぜだろうか。

反射光の色合いや、無規則な模様のゆらぎ、木の香りなど諸説あるけれど、木の家が落ち着く…ということだけは事実。


一部の工法を除き、木造の家には柱が使われているが、その柱を見せるように家を建てる方法と、見せないように建てる方法の2種類の建て方がある。

柱を見せる建て方と「真壁(しんかべ)」つくり、見せない方法を「大壁(おおかべ)」つくりという。

今は、柱の上から壁を貼り付けて、一面のまったいらな壁紙を貼る大壁の家がほとんどだ。
それはそのほうが作り方が簡単であり、手間が少ない、つまり価格が安いからだと思う。


自分は昔の民家風に柱の見える「真壁」つくりが好きで、自分の家を建てるなら絶対に「真壁」と決めていた。

そうすると構造はツーバイ系や鉄骨系ではなく、自動的に木造の在来工法となる。
そしてできれば「梁」など構造の見える家がいい。

重さを支え、家を支え、そして私たちの人生そのものを支える柱や梁が見える家は、とても力強い。

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2004.10.02

四つ葉屋根の家

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家を建てた。


土地を探し、自分たちの理想の住まいを模索して、数年掛けての構想。

私たちの前を通り去っていったたくさんの工務店やハウスメーカー。
私たちの理想とする家をしっかりと形にしてくれた、建築家佐藤さんとの出会い。

2003年は、建築家佐藤さんとたくさんの職人さんと、夫婦で力を合わせて家づくりに取り組んだ年だ。
夫婦ふたりで力を合わせて働いたお金で、自分たちの暮らしをデザインした一年間は、私たち夫婦にとって忘れることの出来ない1年になった。


2002年11月、佐藤さんから届いた1枚のファックスから受けた衝撃。

地元の素材にこだわり、山に入ることから始めた家づくり。
緑化屋根の家を知るために、みんなで津軽海峡を越えたこと。

棟上げがほぼ終わり、はじめて実感として「家」を見上げたあの日。

季節が変わり、建築途中のベランダで、満点の星空と流れ星を見たあの夜。
美装屋さんの仕事が終わり、はじめて部屋に足を踏み入れ、息をのんだこと。

2003年の秋。
関係者が集まり、完成記念パーティを開いたこと。


そんな家に住まい、暮らしはじめて1年が過ぎた。


普通ではない家。
私たちのためだけに作られた、私たちの家。
私たちはこの家が大好きだし、想像を遥かに超える大きな満足を手にすることが出来た。


私たちが建築を依頼した佐藤さんは、私たちは建築家と呼んでいるけれど、本人は建築家とは自称していない。

家族経営でやっている、小さな小さな工務店のオヤジさん。
社長兼・プラン兼・設計兼・デザイン兼・営業兼・仕入れ担当兼・雑用兼……

会社は小さいし、家は非常に安価だけれど、でも彼の手がける家は、大きな大きな気持ちのつまった家だ。

いま一戸建てを建てる人の多くはハウスメーカーで家を建てるように思う。
でも選択肢のひとつとして、こんな家づくりもある。

それを伝えたくて、この「四つ葉屋根の家」カテゴリーに記事を追加したい。

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薪ストーブに火を入れた

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2004年10月1日の夜。
今年はじめて薪(まき)ストーブに火を入れた。

この薪ストーブは「四つ葉屋根の家」の2階に設置してある。

燃料はいまのところ家を建てたときに出る廃材。
地元の木で家を建て、余った木は捨てることなく暖をとるのに使える。

薪ストーブはとてもいいものだ。

ゆらゆらと不規則にゆっくり燃える火と、パチパチとはぜる音。
木の燃えるにおい。

燃える火を見ていると、なんだか心が落ち着くような気がする。

石油ストーブのように「つけたらすぐに暖かい」とはいかないけれど、でも、この薪ストーブを石油ストーブに変える気はまったく起きない。

薪ストーブのある暮らし。

…アナログで、ゆっくりで、静かで、ほんのりとした明るさと暖かさ。

--また今年も長い冬がやってくる。

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